動向に注目が集まっているダニ・オルモ [写真]=Getty Images
バルセロナに所属するスペイン代表MFダニ・オルモと、スペイン人FWパウ・ビクトルの動向に注目が集まっている。1月1日、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が伝えている。
今夏、ライプツィヒから最大6200万ユーロ(約101億円)と推定される移籍金でバルセロナに加わったダニ・オルモは、カンテラ(育成組織)時代を過ごした古巣への帰還を果たしたものの、クラブ財政やサラリーキャップの問題で選手登録が完了せず、ラ・リーガ開幕から2試合を欠場。デビュー戦となった第3節ラージョ・バジェカーノ戦では早速ゴールも記録し、その後は負傷離脱がありながら、ここまで攻撃陣の主軸に君臨しており、公式戦通算15試合に出場して6ゴール1アシストを記録している。
しかし、デンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンやウルグアイ代表DFロナルド・アラウホの長期離脱により、彼らの給与枠の一部を使うという特例措置によって、暫定登録されていたダニ・オルモとパウ・ビクトルはともに新たな収入源を確保できなければ、ラ・リーガ後半戦に向けた登録が不可能となっている。
そのため、バルセロナは経済活動を専門とする第10商事裁判所へ、ダニ・オルモとパウ・ビクトルの暫定登録を求める訴えを求めたものの、これは先月27日付で棄却されたと伝えられた。民事を専門とする第一審裁判所への訴えも同様の結末に終始。控訴も棄却されたことが報じられていた。
これを受け、バルセロナは12月31日に「バルセロナはダニ・オルモとパウ・ビクトルの新規ライセンスをスペインサッカー連盟(RFEF)に申請した。クラブはこれらの登録に関していかなる統括団体に対しても、猶予を要求したり受けたりしたことを否定する」と声明を発表した。
一方、ラ・リーガも声明を発表し、「12月31日時点でバルセロナはラ・リーガの経済管理規則に従い、1月2日からどの選手でも登録できるようにする代替案を提示していない」ことを明らかにしていた。
そして、今回の報道によると、RFEFはラ・リーガの承認なしに連盟ライセンスを登録することはできないとして、バルセロナの要求には応じない姿勢を示しているという。このため、認可される見込みは低いものの、期限内となる12月31日午後に提出されたと見られるVIPエリアの運営権売却についての書類によって両選手の登録が認められなければ、今季両選手はバルセロナでプレーできないことになるようだ。
なお、すでにラ・リーガの公式サイトではダニ・オルモとパウ・ビクトルの名前がバルセロナ所属選手の一覧から削除されている。RFEFの規則では、選手はシーズン毎に1チームに1度しか登録できず、負傷のような正当な理由がない限りは登録を抹消して別の時期に再登録をすることが不可能となっているため、特例が認められない限り、現状では少なくとも今シーズンは両選手が再びバルセロナの選手として登録されることはできない状況となっている。
これにより、ダニ・オルモの契約には解除条項が付随しているため、2030年6月まで契約を残しているものの、今冬の移籍市場でのフリー移籍が可能に。さらに、バルセロナにはダニ・オルモに契約満了まで給与全額を支払う義務があるほか、ライプツィヒに支払うべき移籍金を6シーズンで減価償却するのではく、今年度中に支払われなければいけなくなり、一部報道では同選手に対する補償額は1億3000万ユーロ(約212億円)に達する可能性があることも伝えられている。
また、今夏にジローナから正式加入を果たしたパウ・ビクトルについては2029年6月30日までの契約を残しているが、契約解除の条項が付随していないため、フリーでの移籍ができず。また、規則によれば貸し出される前に登録カードの有効期限が切れてしまうと、貸し出すことができないため、2025年1月から6月まではレンタル移籍もできないことになるようだ。
複数のクラブから関心を寄せられているダニ・オルモや同選手の代理人はバルセロナ残留を望んでいることを明らかにしているが、果たして大きな注目を集めているこの問題はどのような結末を迎えるのだろうか。
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