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コソボ問題に揺れるセルビア対アルバニアが乱闘により没収試合に

2014.10.15

上空を飛んだ旗(左)が発端となり没収試合になったセルビア対アルバニア [写真]=Anadolu Agency/Getty Images

 ユーロ2016予選グループI第3節が14日に行われ、セルビア代表とアルバニア代表が対戦した。しかし試合は0-0で迎えた前半終了間際に乱闘が起き、ピッチに観客が乱入したため没収試合となった。両国に対する処分はヨーロッパサッカー連盟(UEFA)から追って発表される。

 2008年にセルビアからの独立を宣言したコソボは、アルバニア人が9割を占める地域であり、アルバニアはその独立を支持し、さらに一部の民族主義者はアルバニア人本来の居住地域(セルビア、マケドニアなどの地域を含む)を統一する「大アルバニア」の実現を切望。一方のセルビアはその独立を認めず、両国は政治的に対立している。

 緊張感漂う中で行われた同試合は、政治的配慮からアルバニア人サポーターの入場が禁止され、試合中もセルビア人サポーターが発煙筒をピッチに投げ込むなど、物々しい雰囲気となった。

 そして0-0で迎えた42分、左サイドでドリブルしていたFWダンコ・ラゾヴィッチがプレーを止め、マーティン・アトキンソン主審に何かを主張する。その時ピッチ上空には「大アルバニア主義」を示す旗を吊るしたラジコンヘリが飛んでいた。DFステファン・ミトロヴィッチがこの旗を回収すると、これを妨害したアルバニア選手数名と掴み合いの乱闘になり、さらに興奮したセルビアサポーターがピッチに乱入し、アルバニアの選手が攻撃を受ける。主審は試合を中断し、選手全員に一度ロッカールームに戻ることを指示。しかし約30分の中断後も試合を再開できる状況にはならず、そのまま没収試合となっている。

 イギリス紙『ガーディアン』など各紙は、この一件にアルバニアのエディ・ラマ首相の弟オルフィ・ラマ氏が関与し逮捕されたと報じている。

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