EURO2012を制したスペイン代表 [写真]=Getty Images
6日に行われるEURO2020準決勝では、イタリア代表とスペイン代表が対戦する。数々の名勝負を繰り広げてきた両国だけに、今回も白熱したゲームになること請け合いだ。
今から遡ること9年前。2012年大会は、決勝戦で両国が激突。スペインが4-0の勝利を収めて、EURO連覇を達成した。当時のメンバーは今、どこで何をしているのか。決勝出場メンバー28名のうち、すでに現役を退いている15名の“現在地”を紹介する。
[写真]=Getty Images
【スペイン代表】
■GK イケル・カシージャス
スペイン代表のキャプテンを務め、EURO2012では5試合連続クリーンシートの大会記録を樹立。EURO連覇の立役者となった。2020年8月に現役引退を正式発表すると、昨年末にゼネラル・ディレクターのアシスタントとして、古巣レアル・マドリードの財団「レアル・マドリード・ファンデーション」に加わることが決まった。
■DF アルバロ・アルベロア
カシージャスとはスペイン代表やレアル・マドリードで共闘。黄金期を築いた。2017年の引退後は解説者として活躍していたが、昨年11月から古巣レアルのインファンティルAで監督を務めるようになり、1年目からリーグ優勝を成し遂げた。今夏には、恩師カルロ・アンチェロッティ新監督率いるトップチームのコーチ就任の可能性が報じられた。
■MF シャビ・エルナンデス
スペイン最高のプレーメーカーは、EURO2012決勝で2アシストを記録。「スペイン強し」を世界に印象づけた。カタールのアル・サッドでは、監督3年目のシーズンに突入。古巣バルセロナへの帰還を望む声が絶えず、多くのファンが“その時”を待ちわびている。
■MF シャビ・アロンソ
EURO2012では、シャビらとともに大会優秀選手に選出されたX・アロンソ。2017年の引退後、古巣レアル・マドリードのユースチームで監督を務め、2019年からは、プロデビューを飾ったレアル・ソシエダのBチームを率いている。2021-22シーズン、チームはスペイン2部に参戦することが決まっており、卓越した手腕を目にする機会も増えそうだ。
■FW フェルナンド・トーレス
EURO2012では最多タイとなる3ゴールを挙げ、大会得点王に輝いたF・トーレス。2019年8月にサガン鳥栖で選手キャリアを終えたあと、母国スペインに戻って指導者ライセンスの取得に励み、古巣アトレティコ・マドリードのBチームでコーチとして指導に当たっていた。スペインメディアによると、2021-22シーズンはフベニルAの監督に就任する可能性があるという。
【イタリア代表】
■DF フェデリコ・バルザレッティ
左右の両サイドバックを務め、EURO2012は4試合に出場したバルザレッティ。2015年にローマで現役引退を発表すると、現在はコメンテーターとして活躍している。母国の躍進については「とても素晴らしいサッカーを披露していて、見ていて気持ちがいい」と語るなど、心から喜んでいるようだ。
■DF イニャツィオ・アバーテ
EURO2012は決勝戦を含む3試合に出場。2019年に契約満了でミランを退団し、2020年に現役引退を正式に発表すると、指導者ライセンスの取得に励んでいた。そして最近、ミランのU-16チームで監督を務める可能性が浮上。U-18チームでは父ベニアミーノがGKコーチを務めており、いずれは親子共演が実現するかもしれない。
■DF アンドレア・バルザーリ
EURO2012決勝では、レナオルド・ボヌッチとCBコンビを組んだバルザーリ。2019年にユヴェントスで現役引退を発表したあとは、マウリツィオ・サッリ監督のもとでコーチングスタッフに就任していた。プライベートな理由で昨年5月に辞任したあとは、表舞台から姿を消していたが、来季からコメンテーターとしての活動をスタートさせるようだ。
■MF アンドレア・ピルロ
“レジスタ”としてイタリア代表の中心を担ったピルロ。わずか1年で解任を言い渡されたものの、2020-21シーズンは監督初挑戦にして古巣ユヴェントスを率いた。この夏は、セリエAだけでなく、プレミアリーグのクラブからもラブコールが届いている模様で、今後の動向に注目が集まる。
■MF クラウディオ・マルキージオ
EURO2012は全試合フル出場。イタリアの準優勝に大きく貢献した。2019年10月に33歳という若さで引退を発表すると、実業家としてのキャリアをスタート。それに加えて、トリノの地元紙に原稿を寄稿したり、イタリア代表戦の解説をしたり、精力的に活動している。準々決勝のベルギー戦後には、「我々は強くタフであることを示した。少し運もあったが、頭も心も強かった」と代表チームに賛辞を送った。
■MF リッカルド・モントリーヴォ
稀代のファンタジスタとして、EURO2012決勝では、ピルロやマルキージオとともに中盤を形成したモントリーヴォ。2019年にミランで現役引退を発表したあとは、ワインビジネスの世界に足を踏み入れた。ただ指導者ライセンスの講習にも参加しており、将来的には現場復帰の考えもあるようだ。
■MF ダニエレ・デ・ロッシ
イタリア代表歴代4位の117試合に出場したデ・ロッシ。2020年1月にボカ・ジュニオルスで現役引退を発表すると、今年3月からイタリア代表のコーチングスタッフ入りを果たした。抜群のリーダーシップは健在で、選手たちからは兄貴分的な存在として慕われているようだ。
■MF チアゴ・モッタ
モッタにとって、EURO2012決勝は苦い記憶となっている。後半に途中出場を果たすも、その直後に足を痛めて交代。3人目の交代を終えていたイタリアは、試合の残りを10人で戦う羽目になった。2018年にパリ・サンジェルマンで引退した後は、同クラブのユースチームで指導者デビューを果たし、2019年にはジェノアの監督に抜擢。ただ結果を残せず、2カ月で解任されたあとは、フリーの状態が続いている。
■FW アントニオ・カッサーノ
EURO2012では背番号10を背負い、マリオ・バロテッリとの“悪童コンビ”でイタリアを決勝まで導いたカッサーノ。現在は辛口コメンテーターとしての地位を確立し、歯に衣着せぬ発言がファンに大好評だ。準々決勝のベルギー戦前にも「ロメル・ルカクを恐れる必要などない。本当に違いを生み出すのは、エデン・アザールとケヴィン・デ・ブライネだ」とコメント。ファンを安心(?)させた。
■FW アントニオ・ディ・ナターレ
当時34歳でEURO2012に出場。初戦のスペイン戦では先制点を挙げた。38歳だった2016年に引退すると、指導者キャリアをスタート。スペツィアのユースチームで監督を務めたあと、今年4月からセリエC(イタリア3部)のカッラレーゼを率いている。
(記事/Footmedia)
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