ファン・ダイク(右)が後半ATにPKで決勝弾 [写真]=Icon Sport via Getty Images
EURO2024予選・グループB第8節が16日に行われ、オランダ代表とギリシャ代表が対戦した。
グループBではここまで6戦全勝のフランス代表が早々と本大会出場権を手にしているため、残っている枠は1つのみ。第8節では、3位オランダ代表が2位ギリシャ代表の本拠地に乗り込む大一番が開催された。オランダ代表はここまで5試合を消化して3勝2敗。フランス代表相手に連敗を喫したものの、残りの3試合はすべて白星を飾っている。一方、ギリシャ代表は6試合を消化して4勝2敗の成績を残しているが、フランス代表との2戦目はこの先に予定されているため、この試合を勝利することで予選通過に一歩近付きたい。
オランダ代表はコーディ・ガクポ、メンフィス・デパイ、フレンキー・デ・ヨングらが負傷中と厳しい台所事情となっているが、この試合ではキャプテンのフィルジル・ファン・ダイクを筆頭に、ネイサン・アケ、タイアニ・ラインデルス、シャビ・シモンズらがスターティングメンバーに並んだ。一方、ギリシャ代表はコンスタンティノス・マヴロパノスやコスタス・ツィミカスらが先発に名を連ねている。
試合は立ち上がりからオランダ代表が主導権を握ったものの、ギリシャ代表はセットプレーやカウンターでゴールに迫る機会をうかがう。14分には敵陣中央やや左寄りの位置で獲得したフリーキックから、マヴロパノスがヘディングシュートを放ったが、ここは力がなくGKにキャッチされた。対するオランダ代表は21分、左コーナーキックをショートで繋ぎ、最後はペナルティエリア手前からラインデルスがミドルシュートを放ったが、ここはGKオディッセアス・ヴラホディモスに阻まれている。
25分にはオランダ代表にこの試合最初の決定機が到来。コーナーキックのこぼれ球を回収したところから、左でボールを持ったクイリンシー・ハートマンがアーリークロスを送ると、ボックス内でファン・ダイクがコンスタンティノス・クリオラキスに倒され、PKが与えられた。キッカーを務めたヴァウト・ヴェグホルストはゴール右下を狙ったものの、ここはGKヴラホディモスに防がれ、オランダ代表は先制のチャンスを逃した。
前半終了間際にはペナルティエリア左へ飛び出したステーフェン・ベルフワインにもチャンスが訪れたが、決め切ることはできず、前半はこのままスコアレスで終了した。
後半に入ってもオランダ代表が攻撃に出る時間が続く。47分には敵陣で相手の横パスを奪ったところから、ベルフワインが自らフィニッシュまで持ち込むも、再びGKヴラホディモスに弾き出される。52分には中盤でアケからのパスを引き出したラインデルスが前を向き、ドニエル・マレンとのパス交換からペナルティエリア左に侵入。切り返しから右足を振ったが、またもGKヴラホディモスが立ちはだかった。
その後は両者ゴールを脅かすことのできない時間が続く。84分にはギリシャ代表が敵陣でのボール奪取からフォティス・ヨアニディスが右からのクロスボールに頭で合わせたが、ヘディングシュートは枠を捉え切れない。
このまま試合終了かと思われたところで遂に試合が動く。89分、オランダ代表は右サイドから細かくパスを繋いで前進していくと、ブライアン・ブロビーのポストプレーからボックス右でパスを受けたデンゼル・ダンフリースがヴァンゲリス・パヴリディスに倒される。オランダ代表にこの試合2度目のPKが与えられた。今度は主将のファン・ダイクがキッカーを務めると、ゴール右にやや浮かした一撃を沈める。試合終了間際にオランダ代表が先手を取った。
その後、ギリシャ代表は前に出る人数を増やしてロングボールを蹴り込み、同点ゴールを狙ったものの、クロスボールを上げ切る前に奪われてピンチの局面を迎える。カウンターで前に飛び出したブロビーがボックス内で倒されたが、OFRを経てもノーファウルの判定は変わらない。だが、再びPKチェックに向かった主審に執拗に抗議したギリシャ代表のグスタボ・ポジェ監督は退席処分となった。
試合はこのままタイムアップ。土壇場で1点をもぎ取ったオランダ代表が大一番を制し、消化試合数が1試合少ないものの、ギリシャ代表を抜いて2位に浮上した。本大会出場に大きく近付く勝ち点「3」を手にしている。
この後、オランダ代表は17日に第9節でアイルランド代表をホームに迎える。一方、ギリシャ代表は第9節で試合を割り当てられておらず、同17日にはニュージーランド代表との国際親善試合が予定されている。
【得点者】
0-1 90+3分 フィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表)
By サッカーキング編集部
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