勝利したオーストリア代表 [写真]=Getty Images
EURO2024・グループD第3節が25日に行われ、オランダ代表とオーストリア代表が対戦した。
ポーランド代表との初戦を制したオランダ代表は、続く前節のフランス代表戦をスコアレスドローで終えたことによりグループDの首位を維持。引き分け以上でグループステージ突破が決まる重要な一戦に、指揮官を務めるロナルド・クーマン監督は前節から先発を3名変更した。対するオーストリア代表は、初戦こそフランス代表に敗れたものの、第2節は3-1で白星を掴み勝ち点「3」を獲得。オランダ代表とは1ポイント差となっているため、勝利すれば首位での決勝トーナメント進出の可能性も残されている。
試合は、6分にオーストリア代表がスコアを動かす。センターバックのフィリップ・ラインハートが縦パスを差し込み、ターンから前を向いたマルコ・アルナウトヴィッチがドリブルで運びながら左サイドに展開。パスを受けたアレクサンダー・プラスがグランダーのクロスを送ると、ボックス内に戻ってきたドニエル・マレンがスライディングでクリアを試みる。しかし、足に当たったボールは無情にもゴールに吸い込まれ、オーストリア代表が先制に成功した。
リードを許したオランダ代表も、23分に相手のクリアをフィルジル・ファン・ダイクが拾い、メンフィス・デパイのポストプレーからタイアニ・ラインデルスがスルーパス。ピッチ中央からボックス内に送られたグランダーのボールを、抜け出したマレンが左足でシュートに持ち込むが、惜しくもわずかに枠の右へと外れてしまった。そんななか、早くもクーマン監督は35分に最初の交代を敢行。攻撃陣の停滞を打開したい指揮官は、ヨエイ・フェールマンに代えてシャビ・シモンズをピッチに送り込んだ。
38分にはオーストリア代表に決定機。マルセル・ザビッツァーのミドルシュートはオランダ代表GKバルト・フェルブルッヘンに防がれるが、ロマーノ・シュミットがセカンドボールを回収して再びザビッツァーへと繋ぐ。そのまま真横のフロリアン・グリリッチュにパスを送り、ペナルティエリア手前から右足でシュート。相手に当たったボールは不規則な軌道を描きながらゴール前にこぼれると、いち早く反応したアルナウトヴィッチがGKと1vs1の局面を迎える。だが、背後から飛んできたボールにミートさせることができず、オーストリア代表の追加点とはならなかった。
一方のオランダ代表は、41分に中盤でボールを持ったラインデルスがグランダーのスルーパスを供給。DFラインとの駆け引きを制したコーディ・ガクポが抜け出し、体を捻りながら右足でダイレクトのクロスを蹴り入れると、ゴール前でフリーとなっていたメンフィスが打点の高いヘディングで合わせる。ボールはGKの頭上を通過して枠へと向かうが、カバーに入ったマクシミリアン・ウーバーによって掻き出された。
すると、後半開始直後の47分にオランダ代表が試合を振り出しに戻す。自陣中央でプレスをかけたルチャレル・ヘールトライダがボールを奪取し、挟み込んだシャビ・シモンズがこぼれ球を拾ってドリブルを開始。オランダ代表がカウンターから4vs3の局面を生み出すと、バイタルエリアまで運んだタイミングで左サイドのガクポへとパスを送る。そのまま右足に持ち替えてマーカーのタイミングを外し、確実にネットを揺らして同点弾を奪った。
それでも、オーストリア代表が59分に再びオランダ代表を突き放す。敵陣ボックス内でのキープからザビッツァーが時間を作り、ボールを受けたプラスがスルーパス。ポケットに侵入したグリリッチュが倒れ込みながらワンタッチでクロスを送ると、ゴール前で待ち受けていたシュミットが頭で合わせる。ゴールカバーに入ったステファン・デ・フライがクリアを狙ったものの、掻き出すことができずにボールはネットへ。オーストリア代表が貴重な勝ち越し弾を決めた。
またも先行を許したオランダ代表だったが、75分にデ・フライの縦パスから細かく繋いで前線にボールを運び、ボウト・ベグホルストが体を張ってキープしながらイェルディ・スハウテンへと落とす。ワンタッチで左サイドのガクポに展開されると、右足に持ち替えてインスイングのクロスを供給。滞空時間の長いボールにベグホルストが競り勝ち、メンフィスがトラップからアクロバティックにネットを揺らして同点ゴールを挙げた。
しかし、勝負はこのままでは終わらない。80分にオランダ代表がコーナーキックを得るが、クロスをGKにキャッチされてしまい、一部の選手の帰陣が遅れたことでチームが間延び。ザビッツァーが長距離をドリブルで運んでオーストリア代表の攻撃にスピード感が生まれると、クリストフ・バウムガルトナーのスルーパスに再度ザビッツァーが反応する。ポケットに抜け出しながら左足でシュートを放ち、ニアサイドを打ち抜いてオーストリア代表が3度目の勝ち越しに成功した。
結局、試合はそのまま3-2で終了。勝利したオーストリア代表がグループステージ首位突破を決め、オランダ代表も3位で決勝トーナメント進出を確定させた。
【得点者】
0-1 6分 オウンゴール(オーストリア代表)
1-1 47分 コーディ・ガクポ(オランダ代表)
1-2 59分 ロマーノ・シュミット(オーストリア代表)
2-2 75分 メンフィス・デパイ(オランダ代表)
2-3 80分 マルセル・ザビッツァー(オーストリア代表)
【スターティングメンバー】
オランダ代表(4-2-3-1)
GK:フェルブルッヘン
DF:ヘールトライダ、デ・フライ、ファン・ダイク、アケ(65分 ファン・デ・フェン)
MF:スハウテン、フェールマン(35分 X・シモンズ)、マレン(72分 ベグホルスト)、ラインデルス(65分 ワイナルドゥム)、ガクポ
FW:メンフィス
オーストリア代表(4-2-3-1)
GK:ペンツ
DF:ポッシュ、ラインハート(62分 バウムガルトナー)、ウーバー、プラス
MF:サイヴァルト、グリリッチュ(62分 ケルフェルト)、ヴィマー(62分 ライマー)、シュミット(90+2分 ヴァイマン)、サビツァー、
FW:アルナウトヴィッチ(78分 グレゴリッチュ)
By サッカーキング編集部
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