現役引退に際し、別れの手紙を公開したドイツ代表MFトニ・クロース[写真]=Getty Images
5日に現役を引退したドイツ代表MFトニ・クロース(レアル・マドリード/スペイン)が、6日、自身のインスタグラムで別れのメッセージを公開した。
2023-24シーズン、所属クラブのレアル・マドリードでラ・リーガとチャンピオンズリーグ(CL)のトロフィーを掲げたクロースは、かねてより公言していた「高いレベルのまま引退したい」という思いのもと、今夏限りでの現役引退を表明。自国開催のEURO2024を最後に、現役サッカー選手としてのキャリアに幕を下ろすことを決めていた。
クロースの“ラストダンス”となるEURO2024で、ドイツ代表はオープニングマッチから好調を維持。自国開催のEUROで、2大会ぶりの準々決勝へ進み、5日にスペイン代表との優勝候補対決に臨んだ。試合はハイレベルな攻防戦が繰り広げられ、51分にダニ・オルモの得点でスペイン代表が先制するが、終了間際の89分にドイツ代表のフロリアン・ヴィルツが同点弾を奪取。勝負は延長戦へと突入すると、119分にミケル・メリーノが挙げたゴールが決勝点となり、スペイン代表が準決勝進出を決めた。
この結果、現役を引退することになったクロースは自身のインスタグラムで「2023年9月29日に電話が鳴った。発信者はユリアン・ナーゲルスマン。彼が自分に求めたのはドイツ代表への復帰だった。 最初に思ったのは『自分はバカじゃない!』ということだ。 しかし心は『この野郎、やってやろうじゃないか!』と言っていた。みんなが知っているように、決めるのは心なんだ」と、EURO2020限りでの引退表明を撤回してドイツ代表に復帰した心の過程を説明した。
続けて、「2024年7月6日の今朝、自分が最初に思ったのは『やってよかった』ということ。昨日の試合終了のホイッスル以降、悲しみと虚しさがあったにも関わらず、そう思えたんだ。自分は、チームがここ数年見せてきた以上のものを常に見据えてきた。しかし、これほど短期間でタイトル獲得を現実的に目指し、最高レベルを争える状況に戻れるなんて想像していなかったんだ」と、ドイツ代表復帰を決め、予想していた以上に充実した日々を過ごせたと語った。
そのうえでクロースは「だからこそ、このチームが成し遂げたことを誇りに思っている。そしてドイツは再びドイツであることを取り戻した。自国開催のEURO2024を特別なものにしてくれた皆さんに感謝します。 私たちはあなたたちを見て、そして感じてきました。個人的に、皆さんがこの数週間で見せてくれた特別な温かさと愛情に感謝したいと思います。本当に特別でした」とドイツ国民に感謝の意を表した。
そして、「最後にお願いです。ドイツが“最愛の息子(ドイツ代表)”を取り戻した今、その息子を逃がさないでください。このチームの旅はまだまだ続きます。そして悪い時期でも、あなたがその息子のそばにいてくれると大きな助けになります。なぜなら、ドイツ代表は、成功するためにすべてを捧げられる素晴らしい人たちのグループであると断言できるからです」と国民へドイツ代表への応援を続けて欲しいという想いを綴った。
そんなクロースはメッセージの末尾に「最後に自分にとって、とても大切なことがある。ペドリ、ごめんね。すぐに良くなってくれることを願う!君を負傷させるつもりはなかったんだ。君の早い回復と幸せを願うよ。君は素晴らしい選手だ」と、EURO2024準々決勝で自身との交錯によって負傷したスペイン代表MFペドリ(バルセロナ/スペイン)へのメッセージを加えた。
By サッカーキング編集部
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