ワトキンスが後半ATに劇的逆転弾 [写真]=Getty Images
EURO2024・準決勝が10日に行われ、オランダ代表とイングランド代表が対戦した。
前日に行われた準決勝の1試合目では、スペイン代表がフランス代表を2-1で破り、一足先にファイナル進出を決めた。この試合では、残る1つの枠を懸けて、オランダ代表とイングランド代表が相見える。
今大会、グループDに入ったオランダ代表は、初陣のポーランド代表戦で2-1と逆転勝利を飾ると、続くフランス代表戦はスコアレスドローで終えたが、最終節ではオーストリア代表に2-3と敗北。3位で決勝トーナメントに進むと、決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ではルーマニア代表を3-0で破り、準々決勝ではトルコ代表に2-1と逆転勝利。準決勝まで辿り着き、1988年大会以来、9大会ぶりの決勝進出を狙う。
対するイングランド代表は今大会、グループC初陣のセルビア代表戦を1-0で制すと、続く第2節はデンマーク代表と1-1で、第3節はスロベニア代表と0-0で引き分けた。ラウンド16のスロバキア代表戦も後半アディショナルタイムまでリードを許していたものの、ジュード・ベリンガムのバイシクルシュートがチームを救い、延長戦ではハリー・ケインが決勝弾。2-1と逆転勝利を飾ると、続く準々決勝スイス代表戦でも、ブカヨ・サカの同点ゴールで1-1の引き分けに持ち込み、PK戦の末に勝利を勝ち獲った。今大会のパフォーマンスは批判の的となっていたものの、気がつけば2大会連続の決勝進出まで残り1勝。自力の違いを見せつけている。
オランダ代表は準決勝からスターティングメンバー1名を変更。ステーフェン・ベルフワインに代わって、ドニエル・マレンを右ウイングのポジションに起用した。一方、イングランド代表もマルク・グエイの出場停止が明けてスターティングメンバーに復帰。エズリ・コンサに代わって最終ラインに入った。
試合は立ち上がりの7分に均衡が破れる。オランダ代表は自陣右サイドでボールを持ったデンゼル・ダンフリースが背後のスペースへスルーパスを通そうと試みるも、ここはマルク・グエイに処理される。セカンドボールはデクラン・ライスの元に渡ったが、ここで素早い切り替えを見せたシャビ・シモンズが激しく寄せてボールを奪取。自らボールを持ち運び、ペナルティエリア手前から右足を振り抜くと、強烈な一撃がゴールに突き刺さった。
幸先良くオランダ代表が先手を取ったものの、イングランド代表もビハインドの時間を長くは続かせない。14分、ピッチ中央付近で縦パスを引き出したベリンガムが反転から前を向き、前線へボールを繋ぐと、ケインが右サイドへ展開。得意の位置でボールを受けたサカはカットインから左足を振り抜くも、ここはブロックされる。こぼれ球に反応したケインが右足で強烈なシュートを放つも、ここは枠を外れた。
だが、このケインがシュートを放ったプレーにて、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。OFR(オンフィールドレビュー)にて、ケインのシュートに対して、やや遅れてタックルに入ったダンフリースのファウルが確認され、イングランド代表にPKが与えられる。このPKをケインがゴール左下に蹴り込み、イングランド代表が試合を振り出しに戻した。
勢いに乗ったイングランド代表は続く23分、右サイドから攻撃へ出る。フォーデンからのパスを受けて、前を向いたコビー・メイヌーがドリブルで前進。ボールを引き取ったフォーデンが、タイミングをズラして右足で狙ったが、ゴールラインのわずか手前でダンフリースに阻まれた。
イングランド代表に押し込まれる時間帯が続くなか、オランダ代表は30分にセットプレーからゴールを脅かす。X・シモンズが右コーナーキックでアウトスイングのボールを入れると、ボックス内で高く跳んだダンフリースがヘディングシュートを狙うも、ここはクロスバーに直撃。対するイングランド代表は直後の32分、ボックス手前で横パスを受けたフィル・フォーデンがミドルシュートを放つと、ここは左ポストに嫌われた。
その直後、オランダ代表にアクシデントが発生。メンフィス・デパイがピッチに倒れ込んでしまい、プレー続行が不可能に。オランダ代表ベンチは急きょヨエイ・フェールマンをピッチへ送り出した。
前半はこのまま1-1で終了。後半に入ると、オランダ代表はドニエル・マレンを下げて、“切り札”のヴァウト・ヴェグホルストをピッチへ送り出す。後半の立ち上がりはオランダ代表のペースで試合が進行。なかなか決定機こそ作れなかったが、65分には得意のセットプレーからチャンスを構築。敵陣右サイドでフリーキックを獲得すると、ヨエイ・フェールマンの上げたボールに対して、ボックス内でフィルジル・ファン・ダイクが反応。強引に足を伸ばしてコースを変えると、シュートは枠を捉えたが、ここはGKジョーダン・ピックフォードが立ちはだかった。
オランダ代表の時間が続きながら、勝ち越しゴールを挙げるまでには至らず、試合は終盤に突入。79分にはイングランド代表がゴールへ迫る。ライスからのパスを受けたフォーデンがドリブルで前進し、ボックス右に入ったところでボールをリリース。スルーパスに反応したカイル・ウォーカーがマイナスへ折り返し、サカがダイレクトでゴールネットを揺らしたものの、ウォーカーのポジションがオフサイドだったため得点は認められない。
延長戦突入の可能性も視野に入るなか、ガレス・サウスゲート監督は大きな決断を下す。81分、フォーデン、そして先制点を挙げた“エース”のケインを下げて、コール・パルマーとオリー・ワトキンスを投入。すると後半アディショナルタイム、この2人が大きな仕事をやってのけた。
90+1分、敵陣右サイドでボールを受けたパルマーが前を向き、ボックス内へ斜めのボールを入れると、ステファン・デ・フライを背負いながらボールを受けたワトキンスが、反転から思い切りよく右足を振り抜く。デ・フライの股下を射抜く一撃がゴールに突き刺さり、“伏兵”の一撃でイングランド代表が土壇場で勝ち越しに成功した。
試合はこのままタイムアップ。この結果、勝利したイングランド代表が、劇的な形で逆転勝利を飾り、2大会連続のファイナル進出を決めた。決勝は14日に行われ、スペイン代表と対戦する。
【得点者】
1-0 7分 シャビ・シモンズ(オランダ代表)
1-1 18分 ハリー・ケイン(PK/イングランド代表)
1-2 90+1分 オリー・ワトキンス(イングランド代表)
【スターティングメンバー】
オランダ代表(4-2-1-3)
GK:バルト・フェルブルッヘン
DF:デンゼル・ダンフリース(90+3分 ジョシュア・ザークツィー)、ステファン・デ・フライ、フィルジル・ファン・ダイク、ネイサン・アケ
MF:スハウテン、タイアニ・ラインデルス;シャビ・シモンズ(90+3分 ブライアン・ブロビー)
FW:ドニエル・マレン(46分 ヴァウト・ヴェグホルスト)、メンフィス・デパイ(35分 ヨエイ・フェールマン)、コーディ・ガクポ
イングランド代表(3-4-2-1)
GK:ジョーダン・ピックフォード
DF:カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、マルク・グエイ
MF:ブカヨ・サカ(90+3分 エズリ・コンサ)、コビー・メイヌー(90+3分 コナー・ギャラガー)、デクラン・ライス、キーラン・トリッピアー(46分 ルーク・ショー)
FW:フィル・フォーデン(81分 コール・パルマー)、ジュード・ベリンガム;ハリー・ケイン(81分 オリー・ワトキンス)
By サッカーキング編集部
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