上段左からクロップ、ジダン、ストイコヴィッチ、サンパオリ、中段左上からプランデッリ、パウロ・ベント、ミチェル、モンテッラ、アンチェロッティ、下段左上からシュスター、マッツァーリ、ムラト・ヤキン、フアンデ・ラモス、ヒディンク、アンティッチ、レーケンス [写真]=Getty Images
マルセイユは8日、チームを率いていたマルセロ・ビエルサ監督の辞任を発表した。
同日行われたリーグ・アンの開幕戦で、昨シーズン4位のマルセイユはカーンに0-1で敗れた。ビエルサ氏は試合後の公式会見の場で「私は自分が持っているものすべてをチームに捧げてきた。ここでの仕事は終わったよ。国に帰る」と辞意を表明。チームはシーズン開幕早々に指揮官不在という緊急事態に陥った。現在はアシスタントコーチのフランク・パッシ氏が暫定的にチームを率いているが、フランスの各メディアは連日にわたって後任候補の名前を列挙している。
2014年4月20日、“エル・ロコ”(変人)の名で親しまれるビエルサ氏は、その高いカリスマ性故にファンから大きな期待を受けてスタッド・ヴェロドロームへ迎え入れられた。チームも活気づき、シーズン前半戦を首位で折り返すなど好調を見せ、5シーズンぶりのリーグ制覇の期待をかけられていた。しかし、中盤戦から失速して黒星を重ねると、4月は悪夢の4連敗。結局、チャンピオンズリーグ出場権を逃す4位フィニッシュとなった。
更にクラブはシーズン終了後、主力のガーナ代表FWアンドレ・アイェウ(現・スウォンジー)、フランス代表FWアンドレ・ピエール・ジニャク(現・ティグレス)、MFジャネリ・インビュラ(現・ポルト)らを次々と放出。ファンに残された希望はビエルサ氏が本来の手腕を発揮し、若手主体のチームを再建することだった。
しかし、その僅かな希望も立ち消えとなったマルセイユのファンたちにとって、ビエルサ氏の後任は“普通の監督”では済まされないようだ。そんなフランスで最も人気があるクラブの将来を左右する新指揮官として挙げられている後任監督候補を紹介する。
■ユルゲン・クロップ(無所属:前ドルトムント監督)
早々に監督候補として挙げられたのは、昨シーズンまで日本代表MF香川真司が所属するドルトムントを率いたクロップ氏だ。1年間の休業を宣言したにもかかわらず、多くのビッグクラブが接触を図ったとされる。マルセイユもその卓越した手腕にクラブの将来を託したかったようだが、ドイツ紙『ビルト』などによると、同氏の代理人を務めるマルク・コジツケ氏はクロップ氏の監督就任を否定したとされる。
■ジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリード・カスティージャ)
マルセイユの人々は、この町が生んだフランスの英雄ジダン氏の監督就任を夢見ているかもしれない。現在、同氏はレアル・マドリードのBチーム、レアル・マドリード・カスティージャで指揮をとる。一時は必要な監督のライセンスを未習得ながら試合で指揮をとったことから問題になったが、5月にUEFAプロライセンスを獲得しており、障害はなくなったといえる。将来レアル・マドリードのトップチームを率いる前に、故郷で経験を積む可能性は十分にありそうようだ。
■ドラガン・ストイコヴィッチ(無所属:元名古屋グランパス監督)
“ピクシー”の愛称で日本でも親しまれるストイコヴィッチ氏は、1990年から91年、92年から94年までの3シーズンをマルセイユで過ごした。リーグ・アン優勝メンバーでもある同氏は現在もファンから愛されており、フランスメディア『Sports Orange』などが候補として報じている。不安視される点は、監督しての経験が名古屋グランパスのみでヨーロッパでの実績がないことか。
■ホルヘ・サンパオリ(現・チリ代表監督)
チリ代表を率いるサンパオリ監督は、ビエルサ氏の後任にうってつけとの見方もある。サンパオリ監督はビエルサ氏を崇拝しており、同様のハイプレス、タテへの速攻を重視した攻撃的な戦術をとるためだ。チリ代表でも、間にクラウディオ・ボルギ氏(2011年から2012年まで指揮)を挟むものの、“ビエルサ流”のチームを受け継いで初の南米王者へと導いた。ただしフランス紙『レキップ』は、チリサッカー協会が同監督のマルセイユ監督就任を拒否したと報じており、引き抜き困難な状況にあるようだ。
その他にも多くの名将の名前が挙げられている。果たして迷走する名門クラブの指揮官に誰が就任するのか、チームスローガンである「Droit au but」(ゴールへ一直線)のごとく、チームを勝利へと導くリーダーが現れるのか注目が集まる。
フランスメディアが報じているその他の監督候補は以下のとおり。
■カルロ・アンチェロッティ(無所属:元ミラン、前レアル・マドリード監督)
■ヴァルテル・マッツァーリ(無所属:元ナポリ、前インテル監督)
■チェーザレ・プランデッリ(無所属:元フィオレンティーナ、前イタリア代表監督)
■パウロ・ベント(無所属:元ポルトガル代表監督)
■ヴィンチェンツォ・モンテッラ(無所属:前フィオレンティーナ監督)
■ラドミル・アンティッチ(現・河北華夏幸福監督:元バルセロナ、レアル・マドリード監督)
■ミチェル(無所属:元セビージャ、前オリンピアコス監督)
■エリック・ゲレツ(無所属:元PSV、マルセイユ監督)
■ベルント・シュスター(無所属:元レアル・マドリード、マラガ)
■ムラト・ヤキン(無所属:元バーゼル、スパルタク・モスクワ)
■フアンデ・ラモス(無所属:元レアル・マドリード、トッテナム、ドニプロ)
■ジョルジュ・レーケンス(無所属:元チュニジア代表監督)
■フース・ヒディンク(無所属:前オランダ代表監督)
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