ナスリ(右)がベンゼマ(左)のフランス代表復帰を後押し(写真は2011年) [写真]=Getty Images
国際Aマッチウイークに入り、レアル・マドリードに所属するFWベンゼマのフランス代表復帰に関する話題が再燃している。
ベンゼマは、代表のチームメイトであるリヨンMFマチュー・ヴァルブエナへの恐喝容疑により、2015年12月にフランス・サッカー連盟(FFF)から追放処分を受けた。しかし、疑惑が晴れた現在は再び招集が可能な状況となっており、復帰を支持する声も増えつつある。またベンゼマ本人も復帰を希望しており、ディディエ・デシャン監督との対話を希望しているようだ。だがデシャン監督は、将来的にベンゼマを招集する可能性は否定していないものの、今回の国際Aマッチウイークでは本件についての質問を拒否している。
そんな中、2014年8月に自らフランス代表からの引退を宣言したセビージャのMFサミル・ナスリが、ベンゼマの復帰を強烈に後押しした。母国のスポーツ番組『L’Equipe du Soir』とのインタビューに応じたナスリは、確執も伝えられているデシャン監督の招集メンバーに公然と異を唱えた。
「皆、自分の心に正直になった方がいい。彼はフランス最高のストライカーだ。僕の口から『ベンゼマはオリヴィエ・ジルーやケヴィン・ガメイロよりも劣っている』なんて言葉は聞きたくないだろう?」
ナスリはまた、ベンゼマの代表復帰を強く推す理由として、チームの攻撃の要であるアトレティコ・マドリードFWアントワーヌ・グリーズマンとの相性の良さを挙げた。
「もしベンゼマがフランス代表に戻れることになれば、チームの目標のために全てを捧げるだろう。また、彼とグリーズマンは完璧に理解し合える。個人的にもそう確信しているんだ。ベンゼマの復帰は間違いなく機能するはずだよ」
フランス代表は現在、2018 FIFAワールドカップ ロシア 欧州予選5試合を終えてグループAの首位。2位のスウェーデン代表に3ポイント差、3位のブルガリア代表に4ポイント差、4位のオランダ代表に6ポイント差を付けている。結果が出ている現状もあり、ベンゼマが代表から外れ続けていることへの表立った批判は生じていない。しかし、予選の後半戦ではスウェーデン代表とのアウェイゲームを控えているなど、全く気が抜ける状況にはないだけに、今後の動向次第ではベンゼマ待望論が出てきてもおかしくなさそうだ。
文=北村敦