ファンに挨拶をするドルトムントの選手たち [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
第12節を終えたブンデスリーガでは入れ替え戦にまわる16位に位置し、26日のチャンピオンズリーグでもアーセナル相手に今シーズンの同大会初黒星を喫するなど、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントは依然として低空飛行を続けている。
しかし、上述のアーセナル戦ではアウェーにもかかわらず約3000人のファンがスタジアムに駆け付け、試合前から選手に送っていた声援は試合後に止むことはなかった。
結果を度外視し、絶え間なく応援を続けるファンの行動は、確かに称賛されるべきかもしれない。だが、「それはまた同時に危険もはらんでいる」とドイツ紙『ビルト』が分析した。
同紙は「居心地の良いファンたちの存在は、ドルトムントにとってどれだけ危険か?」と題し、「ドルトムントの首脳陣は、『危機的状況が数ヶ月続きながらもファンが(拍手などの)リアクションを取ってくれることは、チームを助けてくれるものだ』と話している。しかし、ピッチ上の選手たちの目を覚まさせるためには、もうこれ以上(ファンたちは選手に対し)子守唄を歌って寝かしつけるような真似はやめるべきだ」と記している。
同クラブのドイツ代表DFマッツ・フンメルスも『ビルト』に対し、「ブーイングが生産的なものかどうかは分からない。でも、今のこの状況でファンがブーイングをしてきたとしても、チームには誰一人として気分を害する者はいない」と話せば、元ドイツ代表MFセバスティアン・ケールも「ファンから批判されたとしても、それは受け入れなければならない」とコメントしたようだ。
ドルトムントを上昇させるには、もう“愛のムチ”しか残っていないということなのだろうか。