ドルトムントとの契約延長を発表したロイス [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
10日、ドイツ代表FWマルコ・ロイスとの契約を2019年まで延長したドルトムント。ドイツ誌『キッカー』は、このビッグニュースが残留争いの真っただ中に沈むクラブにフィーバーを巻き起こしていることを伝えている。
同誌によると、契約延長を伝えたドルトムントの公式フェイスブックには過去最多となる485万人、さらに、その後ロイスのビデオがアップされると、523万人が押し寄せたとのこと。クラブHPにも通常の倍のアクセスがあったという。
それもそのはずで、チームがどん底の状況で契約延長という、泣かせるタイミングもあるが、ロイスの「契約延長という決断に、とても幸せだ。ここは自分の故郷であり、ドルトムントは理屈抜きに僕のクラブだ。このチームでのこれからの成功と、ファンタスティックなファンの後押しを楽しみにしている」という言葉が、本物だと思えるからだろう。
2017年までとなっていた以前の契約には、今シーズン終了後に2500万ユーロ(約34億円)の違約金で移籍ができるという付帯条項が含まれていたが、新しい契約にはそうした条項が盛り込まれておらず、それどころか2部降格の場合でも有効という、何があっても逃げられないもの。
ネット上には、「これで、まだマイスター(=ブンデスリーガ優勝)もいける」という、盲目的なファンの書き込みも出現。クラブ側も、この盛り上がりを見逃すはずはなく、公式HPで「とてつもないビッグニュース。まさにお祝いだ。我々も一緒に祭りだ」と煽り、ユニフォームのマーキング『11 REUS』をタダにすると宣伝してい る。
かつて経営破たんの危機に瀕していた頃、ドルトムントはスタジアムの座席取り替え工事で出た古イス(=廃品)まで売りに出していた。練習を見学に訪れたファンに「愛するクラブを助けたくないのか」と迫り、その良心につけ込むかのような阿漕(あこぎ)な商売を展開していたことを思うと、この大盤振る舞いからは、喜びの大きさが伝わってくる。
地元紙『Westdeutsche Allgemeine』は、練習の時、ベンチでロイスへの拍手が起こったことを伝えており、「マルコも、私と同じように、この厳しい状況を片づけられると確信しているということ。この先にある成功を誰もが信じているということを、金曜日の試合でも感じとって欲しい」とユルゲン・クロップ監督。指揮官にとっては、チーム浮上にこれ以上望みようのない起爆剤だ。
それはファンにとっても同じで、ひと昔前の低迷期も味わってきただけに、必ず強いチームに戻れると信じているはず。そして、そのためにも、近いうちに契約満了となるキャプテンのDFマッツ・フンメルス、そしてMFスヴェン・ベンダーとMFイルカイ・ギュンドアンがロイスと同じように、クラブの明るい未来を信じてくれることを願っているのだろう。