アーセナルに所属するドイツ代表MFエジル [写真]=Bongarts/Getty Images
アーセナルに所属するドイツ代表MFメスト・エジルが、国内に広がる自身の間違ったイメージについて言及した。25日、ドイツ誌『スポーツビルト』が伝えている。
ドイツでは数年前から、「試合前の国歌斉唱時に移民系代表選手らが国歌を歌わない。愛国心がない選手は代表から外すべき」といった議論が噴出しており、エジルを含む数選手が批判されることも少なくなかった。
しかし今回の『スポーツビルト』とのインタビューで同選手は、その誤解に対して「僕は誰も傷つけたくないし、僕が歌わないことをよく思わない人がいることも理解している。ただ、国歌が流れている時に試合への集中を一層高め、幸運と健康を祈っているだけなんだ。僕は今後もドイツ代表に呼ばれ続けたいと思っているよ」と語っている。
そもそもエジルは、“トルコ系ドイツ人”と呼ばれることも、どちらかというとあまり好んではいないそうで、「別にイライラしたりはしないけど、不思議に思っている。なぜなら必ずそう呼ばれるからね。MFサミ・ケディラは“チュニジア系ドイツ人”と呼ばれないし、MFルーカス・ポドルスキやFWミロスラフ・クローゼも“ポーランド系ドイツ人”とは呼ばれない。みんな僕がゲルゼンキルヒェンで生まれ、このドイツで育ったことを忘れているんじゃないかな」とコメントした。
ただし、トルコとドイツという2つの異なる背景を持つことに対し同選手は、「サッカー選手としてはポジティブな面が多い」とし、「育成年代でドイツの規律や戦術を叩きこまれた。また一方では子供の時からトルコリーグの試合をよく見ていて、プロ選手が試合で見せる細かいテクニックを勉強できた。公園の小さなスペースで友達とサッカーをしては、それをよく真似したものだよ。だから僕は、2つの異なる文化を持っていることを誇りに思っている。ドイツにいてもトルコにいても居心地がいいと感じる」と話している。