U16イタリア代表との親善試合に出場したU16ドイツ代表DFリッパート(右) [写真]=Getty Images
今年1月、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントの育成部門が、同代表のMF長谷部誠とMF乾貴士が所属するフランクフルトの下部組織にいたU-16ドイツ代表DFゾーレン・リッパートを獲得した件について、各方面から批判の声が上がっている。
ドイツ紙『ビルト』によると、フランクフルト育成部長のアルミン・クラーツ氏は同紙の取材に対し「もしビッグクラブの手が伸びてくれば、我々は無力だよ」とコメントしているという。また、同クラブのヘリバート・ブルフハーゲン会長も「バイエルン、レヴァークーゼン、ホッフェンハイム、ライプツィヒは多くの若い才能を使い捨てている」と、資金にモノを言わせ次々と補強を敢行するクラブの姿勢を批判。さらに「代理人も、その若い選手にとって何が良いのか、しっかりと見極めなければならない」と語っている。
憤りを感じているのは、ボルシアMGのスポーツディレクターを務めるマックス・エバール氏も同じようだ。
「結局最後には、若い選手はみんなバイエルンに行ってしまう。しかし成熟する前の若い選手を買い取るような動きがドイツサッカーにとって本当に良いことなのか、私には疑問だよ」
バイエルン下部組織は今冬、ボルシアMGとシュトゥットガルトのユースからそれぞれ1人ずつ補強。18歳未満の2選手獲得のためにバイエルンが支払った金額は、1000万ユーロ(約13億円)にも上る。