香川(左)とも仲の良いドルトムントMFグロスクロイツ(右) [写真]=Bongarts/Getty Images
日本代表MF香川真司の所属するドルトムントは4月30日、ドイツ代表MFケヴィン・グロスクロイツが左ひざ関節の手術を受け、4週間の離脱と診断されたと発表した。
ドルトムントは、2日に行われるブンデスリーガ第31節のホッフェンハイム戦を含めリーグ戦4試合を残し、30日にはヴォルフスブルクとのDFBポカール決勝が控えるが、同選手の今シーズン中での復帰は微妙な状況となった。
4月30日の記者会見でユルゲン・クロップ監督は「4週間というのが、4週間後には100パーセントの状態になっているという意味であって欲しい。だが、4週間トレーニングができないということなのか、ちょっと様子を見なければならない」と話し、DFBポカール決勝までの復帰を願った。
ここで心配されるのは、2016年夏で契約満了となるグロスクロイツの延長交渉が行われている気配がないこと。契約満了となれば移籍金が発生しないため、同選手が今シーズン限りで退団するのではないかという見方もあり、ドルトムントでの雄姿が見納めとなってしまうのではないかということだ。
ドルトムントのユース出身で、子どもの頃から熱狂的なドルトムント・サポーターとして知られる同選手。18歳でアーレンに移籍も、3年後に再びドルトムントの一員に復帰。ことあるごとにドルトムント愛を語る26歳は、ファンにとっても特別な存在だ。
そのため、4月25日に行われた前節のフランクフルト戦では、ゴール裏に「グロスクロイツと契約延長を」と書かれた横断幕が出現。同じ訴えを伝えるポスターも貼られるなど、サポーターがアクションを始めている。
今シーズンはケガが重なり、リーグ戦は17試合出場どまり。最近ではベンチ入りメンバーから外れることも多かったことから、地元紙『Westdeutsche Allgemeine』は、またしても故障者リストに入ってしまった今回の手術を「不運なタイミング」と伝えた。
続けて、「ここまでのところ、クラブ側からは契約延長の動きを見せていない。クラブが絶対に必要と思う選手であれば、そうはならないだろう」と、ドルトムントに延長の意思がないことを示唆。その背景には、ピッチ上のパフォーマンスだけでなく、同選手を一躍有名にしてしまったピッチ外のお騒がせ行為も少なからず影響しているのではないかとしている。
当のグロスクロイツは、インスタグラムで手術成功を伝えるとともに「契約については成り行きを待つことになるが、僕は、これからも僕のボルシアでプレーすると楽観しているよ。このシュヴァルツゲルプ(=黒黄)のユニフォームに身を包むことに、誇らしさでいっぱいだ。このけがから立ち直って妬む人、批判する人たちに見せつけてやる!」とつづり、変わらぬドルトムント愛と完全復活に燃える強い意志を見せている。