シャルケのヘルトSD [写真]=VI Images via Getty Images
成績低迷に続き、サポーターの応援ボイコットと、ゴタゴタが続く日本代表DF内田篤人所属のシャルケ。16日に行われた今シーズンのホーム最終戦では、残留争い中の17位パーダーボルン相手に、終了間際のオウンゴールという“棚ボタ“で勝ち点3を拾って6位以内が確定。来シーズンのヨーロッパリーグ出場権を手にしたが、目の前にはチーム再建という難題が待ち受ける。
クレメンス・テンニース会長、ホルスト・ヘルトSD(スポーツディレクター)、そしてチームを率いるロベルト・ディ・マッテオ監督の進退問題にも発展しているが、MFケヴィン・プリンス・ボアテングとMFシドニー・サムの追放処分など、厳しい手法を取っているヘルトSDに対して、特にサポーターからの反発が大きい。
パーダーボルンとの一戦では、『169センチ 能無し!』という、身体的特徴まで中傷する横断幕を掲げられたヘルトSDだが、20日発売の『シュポルト・ビルト』誌に対し、「(辞任は)考えたこともない。責任を持つというのは批判された時に逃げることではない」と述べ、現職にとどまることを強調した。
テンニース会長も、ヘルトSDを「聖域ではない」としながらもバックアップを表明。そして、ヘルトSDはディ・マッテオ監督に対する全幅の信頼を繰り返しており、現行の体制を変えることなく再建を図るつもりだ。
16日の試合後、テンニース会長がロッカールームに乗り込み、選手に怒りの説教をぶちまけたことが20日付のドイツ紙『ビルト』によって明らかになっているが、同紙は「シャルケの低迷は選手だけの責任ではない。テンニース自身、ヘルトSD、そして当然ディ・マッテオ監督にも責任がある」と付け加えている。恐らくサポーターの目にも“選手に責任を押し付ける上層部”として映っているだろう。
パーダーボルン戦の後には、約300人のシャルケ・サポーターによって、テンニース会長とともに、直談判に引きずり出されたヘルトSDは、「全ての責任は私にある。君たちには詫びることしかできない」と謝罪している。
同SDは「ファンの心を手放してしまった。それを取り戻すかどうかは我々次第。一朝一夕にはいかないだろうが、チャンスをもらえると信じている。我々にはファンが必要だ」とも話していたが、チームだけでなく、壊れてしまったサポーターとの関係をどう立て直すのか。