17日に開幕したU-21欧州選手権でゴールを守り、注目されたドイツ代表正GK争いを制した、マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)。
頂点に立った2009年のU-17欧州選手権に続き、ベルント・レノ(レヴァークーゼン)とのライバル対決に勝利を収めたが、これまで、そしてこれからも向かい合わざる得ないレノ絡みの質問には、さすがにうんざりしているようだ。
セルビアとの開幕戦で1-1のドロー発進となったドイツ代表。
その翌日の記者会見に登場したテア・シュテーゲンは、レノとの関係を問われると「昨日もその質問をされた。昨日だけでなく、先週も、先月も。それどころか、数年前にも聞かれた。基本的に自分の答えは変わらない。僕たちの関係は普通だ」。
加入1年目のバルセロナで3冠に貢献し、マヌエル・ノイアー(バイエルン)の後釜として順調な成長を続ける若武者も、さすがに長年繰り返される金太郎あめ的な質問には、ヤレヤレといった表情だ。
ともに1992年に生まれ、GK王国ドイツでしのぎを削ってきた2人。その関係は、オリバー・カーンとイェンス・レーマンの激しいライバル争いに重ねられることも多い。
U-19時代には、合宿中の仲違いから相部屋を解消。今大会の出場をかけた昨年10月のプレーオフでは、2戦ともテア・シュテーゲンが起用されたことにレノが不満をもらしたことが報じられるなど、ドイツのメディアでは、常に相容れない2人として、その関係は成り立っている。
テア・シュテーゲンは、「関係が上手くいかない時期もあったかもしれないが、ライバルなのだから当たり前。それでも互いにリスペクトし合っているし、普通に会話だってする」と、チームメートとしての関係は築けているとはしながら、「仲良く肩を組むには、(互いの)競争が大きすぎる」と続け、2人のライバル関係が緊張したものであることを認めている。
ノイアーの他、DFのマッツ・フンメルスとベネディクト・へーヴェデス、さらにはMFメスト・エジルなど、昨年のワールドカップ優勝メンバー6人を擁した2009年以来の欧州制覇が目標のドイツ代表。
『Sport1』は、3大会ぶりの優勝を目指すドイツの開幕戦の観客数が、UEFAが事前に発表していた1万5000人にははるかに満たない5490人であったことに触れ、テア・シュテーゲンの「スタジアムで多くのドイツ人が応援してくれたことが心に残っている。声援が多ければ多いほどチームにとって力になる」と、隣国で開催中の大会で、より多くのサポーターの後押しを期待していることを紹介している。
U-21ドイツ代表の戦いは、現在カナダで開催中の女子ワールドカップとの視聴率争いも関心を呼んでいたが、『Sport1』によると、公共放送ARDで放送された開幕戦は、平均視聴者数517万人で、市場占有率(テレビ視聴者数のうち、特定の番組を視聴していた人数の割合)は18.6%だった。
放送時間帯では不利になる女子ドイツ代表のグループリーグ3試合は、視聴者数が531万人から709万人で、U-21を上回ったとのことだ。