ブラジルW杯を制したドイツ代表 [写真]= VI Images via Getty Images
文=鈴木智貴
13日、ドイツ代表はジブラルタル代表とポルトガルのファーロでユーロ2016予選を戦い、7-0の大勝を飾った。その3日前、ホームのケルンで行われたアメリカ代表との親善試合では1-2と逆転負けを喫したが、本番できっちりと相手を叩きのめすあたり、「さすがドイツ」と言うしかない。
そんな同代表は、ヨアヒム・レーヴ監督をはじめ、ハンス・ディーター・フリックSD、そしてチームマネージャーであるオリバー・ビアホフ氏の3名が、連携を取りながら強化に勤しんでいる。彼らの仕事にはドイツサッカー連盟(DFB)のヴォルフガング・ニーアスバッハ会長も全幅の信頼を寄せており、今年3月にはまずレーヴ監督と2018年まで、そしてビアホフ氏とは2020年まで、それぞれ契約を延長している。
来年のユーロ優勝、そして5度目の世界チャンピオンを目指し邁進するドイツ。彼らが描くプランについて、ビアホフ氏がドイツ紙『ビルト』とのインタビューで語った。
まず、DFBが今後も注力していく点は若手の育成。昨夏のブラジル・ワールドカップ優勝は、長い年月をかけて地道に若手および指導者の育成を行ってきた賜物であることを、同氏は強調している。
「1990年にW杯を優勝した時、フランツ・ベッケンバウアーは『これから何年も我々は負けないだろう』と言った。しかし自画自賛を続けた10年後の2000年、我々は(ユーロで大敗し)全員の目が覚めたんだ。それからDFBとドイツサッカーリーグ社(DFL)は、タレントの育成に大金をつぎ込み、その結果が今日の選手たちなんだ。我々はもう自分たちを称賛することはしない。2024年にまた目を覚ますなんてことはしたくないからね。アカデミーでの若手強化を続けていけば他の国からもっとリードすることができる」
また、自身が再びドイツ代表という場で職を得たように、これまで同代表に多大な貢献を残した選手で意欲が高い者がいれば、現役引退後、積極的にDFBで雇用していくという考えも明らかにしている。
「我々は将来についても、どのようにかつてのプレーヤーと関係を持ち続けられるか、どのようなプラットホームを彼らに提供できるかを考えていかなければならない。彼らの存在はきっと我々を助けてくれるからね。けれどもそれは引退した選手へのプレゼントや暇つぶしであってはならない。考えを共有し、任務に取り組んでいかなければ」
そして「果たして2020年のドイツ代表は(近年採用するチームが多くなった)3バックでプレーすることもありうるのか?」という『ビルト』からの最後の質問に対し、ビアホフ氏はこう答えた。
「今は真剣に答えることはできない。ただし、その質問はアカデミーでもしっかりと論じられるべき事柄だろう。『ティキ・タカの次にくるトレンドは?』や、『戦術は次にどのような発展を見せるか?』『サッカーはどこに向かっていくのか?』と同様にね」
By 鈴木智貴