練習後、ファンのサインを求める声に応じる香川真司 [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
日本とマレーシアでのプレシーズンマッチ各1試合を含む、アジア・ツアーに出発した日本代表MF香川真司とMF丸岡満が所属するドルトムント。トーマス・トゥヘル新監督のもと始動したばかりの中、約1週間ハードスケジュールをこなす一行が最初に降り立った東京では、予想をはるかに超える歓迎を受けた。これにはチーム関係者も感激し、同行したドイツメディアは、その熱狂ぶりを事細かに報じている。
まずは、羽田空港で約1000人の出待ちサポーター(ドルトムント公式HPによる数字)による、もみくちゃの洗礼を受けると、20時からの公開練習(等々力競技場)には、小雨の降りしきる中、5792人が詰めかけた。
先日の来日に続く2度目の日本上陸となったドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンも、「正直、こんなにファンがいるとは思ってなかったね。日本に来れてうれしいよ」と満面の笑顔。
1997年のトヨタカップ(国立競技場)にも出場しているミヒャエル・ツォルクSD(スポーツディレクター)は、びっしり詰まったメインスタンドを見上げなから、「まったく予想していなかったよ。ポジティブなサプライズだね。羽田空港に着いた時も500人くらいのファンが待っていた。中には、ユニフォームを着てるファンもいたね。香川だけでなく、ロイスのユニ姿もあったんだ。今も、こんな“単なる”練習に何千人も来ている。すごいよ」と感激した様子だった。
一方、ドイツの各メディアもドイツが誇る人気クラブのグローバルぶりをせっせと発信している。
番記者を派遣している『キッカー』誌は、羽田空港でのフィーバーを以下のような速報で伝えるとともに、『極東でBVB狂騒曲』というタイトルで動画も配信。(BVB=ドルトムントのこと)
「羽田空港での歓迎ぶりだけでも、日本でのドルトムント人気は、予想をはるかに超えるものだ。数百人のファンが、黄色い声とともに押し合いへし合い。居合わせたファンによると、マンチェスター・Uの来日時よりも、はるかにファンの数は多いそうだ。ドルトムントのセールス&マーケティング部長カルステン・クラマーは、『この調子でツアーが進めば、大きな成功を収めることになるだろう』と目を輝かせた」
また、『Sport1』は、「BVB、アジアで熱狂的な歓迎を受ける」と紹介。記事の中で、「ドイツ国外で最もファングッズの売り上げが高いのが日本」ということにも触れている。
イベントに欠かせない『ビルト』紙も、もちろん参戦。こちらは、ドイツ代表MFマルコ・ロイスのぶっちぎり人気にスポットを当てて報道している。
『日本人はロイスを愛している。ロイスをガードするため、ついには警官も出動』との見出しのもと、ロイスの写真には「日本では正真正銘のポップスター」とのキャプションをつけて紹介。
「誰もが1人のお目当て選手を待っていた。マルコ・ロイスだ。その場の絶叫を再現するのであれば、“ロィィイス”だ」
特に女性ファンが多く、その全てに応えることはできなかったものの、「熱心にサインを書き、ひっきりなしに続くファンの自撮りにも笑顔で収まった」と、ロイスの神対応にも言及。あまりのヒートアップに、ついには警官(恐らく警備員のこと)が出動したことを、誇らしげに伝えた。
その一方で、ファンの中に2014-15シーズン限りで退任したユルゲン・クロップ前監督を探す数名の浦島太郎がいたという壮大なオチも紹介している。