ブンデスリーガを中継するドイツのTV局『スカイ』のカメラクルー [写真]=Bongarts/Getty Images
文=鈴木智貴
ブンデスリーガ2部第2節までの詳細日程が2日に発表され、その翌日にはDFBポカール1回戦の日程も決定。各クラブは続々と合宿を開始しており、いよいよドイツサッカー2015-2016シーズン開幕に向け、その準備が本格的に始まっている。
そんな中、ブンデスリーガの今シーズンのTV放映権料が独語サイト『Fernsehgelder.de』より公表された。まずはその順位、金額とポイントを以下に記していきたい。
1位:バイエルン…3928万9000ユーロ(536ポイント)
2位:ドルトムント…3813万3000ユーロ(503ポイント)
3位:レヴァークーゼン…3697万8000ユーロ(498ポイント)
4位:シャルケ…3582万2000ユーロ(481ポイント)
5位:ボルシアMG…3466万7000ユーロ(468ポイント)
6位:ヴォルフスブルク…3351万1000ユーロ(461ポイント)
7位:アウグスブルク…3177万8000ユーロ(405ポイント)
7位:ハノーファー…3177万8000ユーロ(405ポイント)
9位:マインツ…3004万4000ユーロ(402ポイント)
10位:ホッフェンハイム…2888万9000ユーロ(398ポイント)
11位:ブレーメン…2773万3000ユーロ(384ポイント)
12位:フランクフルト…2657万8000ユーロ(383ポイント)
13位:シュトゥットガルト…2542万2000ユーロ(365ポイント)
14位:ハンブルガーSV…2426万7000ユーロ(352ポイント)
15位:ヘルタ…2311万1000ユーロ(328ポイント)
16位:ケルン…2195万6000ユーロ(306ポイント)
17位:インゴルシュタット…2080万ユーロ(163ポイント)
18位:ダルムシュタット…1964万4000ユーロ(85ポイント)
公平を期すブンデスリーガは、過去5シーズンの順位を点数化し、その順位によって放映権料が分配されるシステムを採用している。
まず基本ポイントとして、ブンデスリーガ1位には36点が付与。順位を下げるごとにそれも1つずつ下がっていき、同2部18位には1点しか与えられない(3部以下に所属していた場合は0点)。
少々複雑なのは、このポイントに掛け算が用いられること。直近のシーズンは獲得ポイント×5、一昨季は×4となり、5シーズン前は×1とされてしまう。つまり、5シーズンないし4シーズン前に好成績を収めるよりも、昨シーズンや一昨シーズンで上位に来たほうが獲得できるポイントは多くなるというわけだ。
日本代表MF香川真司とMF丸岡満が所属するドルトムントと、DF内田篤人が所属するシャルケ、そして昇格組インゴルシュタットを例に挙げると以下のようになる。
<ドルトムント>
2010-2011:36ポイント(1位)×1=36ポイント
2011-2012:36ポイント(1位)×2=72ポイント
2012-2013:35ポイント(2位)×3=105ポイント
2013-2014:35ポイント(2位)×4=140ポイント
2014-2015:30ポイント(7位)×5=150ポイント
計503ポイント
<シャルケ>
2010-2011:23ポイント(14位)×1=23ポイント
2011-2012:34ポイント(3位)×2=68ポイント
2012-2013:33ポイント(4位)×3=99ポイント
2013-2014:34ポイント(3位)×4=136ポイント
2014-2015:31ポイント(6位)×5=155ポイント
計481ポイント
<インゴルシュタット>
2010-2011:5ポイント(2部14位)×1=5ポイント
2011-2012:7ポイント(2部12位)×2=14ポイント
2012-2013:6ポイント(2部13位)×3=18ポイント
2013-2014:9ポイント(2部10位)×4=36ポイント
2014-2015:18ポイント(2部1位)×5=90ポイント
計163ポイント
ちなみにブンデスリーガ1部と2部に分配される放映権料は、合計6億6300万ユーロ(約905億円)にのぼるが、このうち80%が1部に割り当てられ、2部18クラブに与えられるのは20%のみ。それゆえ、今シーズンの分配金ランキングで2部18位のビーレフェルトがもらえる金額はたったの453万3000ユーロとなり、首位バイエルンとの差は日本円に換算すると約47億4500万円になる。
ブンデスリーガから2部へ降格するということは、単に国内最高峰の舞台で戦える権利を失うということだけでなく、クラブの懐にも甚大なダメージを与えてしまうのだ。
By 鈴木智貴