ボルシアMG戦で初先発したマインツFW武藤嘉紀[写真]=Bongarts/Getty Images
23日に行われたブンデスリーガ第2節のボルシアMG戦で、マインツ加入後初のスタメン出場を果たしたFW武藤嘉紀。終盤に2度のビッグチャンスにシュートを決められなかったが、マーティン・シュミット監督は「彼のような選手が必要」と、プレー内容を高く評価した。
マインツの地元紙『Allgemeine Zeitung』が、「武藤の完璧な運動量はチームの手本」とのタイトルで記事を掲載。シュミット監督の武藤評を紹介しつつ、シュート以外で光った動きを称えている。
29日のリーグ戦第3節、MF清武弘嗣とDF酒井宏樹の所属するハノーファーとの一戦で連勝を飾るためのカギは運動量だと見るシュミット監督。ボルシアMG戦の走行距離で、武藤はオーストリア代表MFユリアン・バウムガルトリンガーの13.2キロに次いでチーム2番目となる12.4キロを記録し、スプリント数ではチームトップの29回をマークした。
シュミット監督は、この数値に合格点を与ると「ゴール手前のエリアで必要なのはこういう選手。シンジの持っていた特徴をたくさん見せてくれたね」。マインツから巣立ったレスター所属のFW岡崎慎司が見せつけてきた最大の持ち味を、今度は武藤に重ねた。
ボルシアMG戦で5回のオフサイドを取られたが、指揮官はそこを問題視することはなく、「オフサイドまで走る選手は好みだね。敵にとって、それ以上に嫌なことはないのだから。もし、そうしたことを誰もやらなかったら、敵は少しずつラインを上げてプレッシャーをかけてくるだろう。だが、彼らの頭の中には常に、武藤には一瞬にして裏を取られるかもしれないというのがあるはずだから」と、敵の動きに制約を与える武藤の動きを評価した。
終盤に2度のビッグチャンスを外したことについても、激しい運動量をこなしたことで最後の最後で集中力が切れてしまっただけとの見方を示し、初先発でのパフォーマンスを「名刺代わりのあいさつ」に例えている。
同紙は、次節のハノーファー戦は“低い位置で守りを固める相手に対し、サイドからスピードで仕掛ける”ために、武藤のサイド起用を予想。「武藤の走る回数が多く、そして長距離であれば、ボルシアMG戦のようなずば抜けた運動量につながるはず」と締めくくり、武藤に象徴される豊富な運動量が連勝のカギだとしている。