ハノーファー戦で2ゴールを決めたマインツFW武藤嘉紀(左端)[写真]=Bongarts/Getty Images
日本代表FW武藤嘉紀の所属するマインツは、29日に行われたブンデスリーガ第3節で、MF清武弘嗣と日本代表DF酒井宏樹の所属するハノーファーと対戦し、3-0で勝利を収めた。
同リーグの日本人選手では史上最速となる、3試合目での2得点を決め、マインツに今シーズンのホーム初白星をもたらした武藤。15分の先制点と29分の追加点に続き、47分にはダメ押しとなる3点目にも絡み、文字通りワンマンショーを演じた日本からの新戦力に、監督、チームメートが惜しみない賛辞を送っている。ドイツ紙『Allgemeine Zeitung』が29日に伝えた。
87分、大歓声の中ピッチを後にする武藤を、マルティン・シュミット監督はお辞儀で出迎えた。クラブ公式チャンネル『マインツTV』によると、試合後の会見でこれについて問われた同監督は、笑みを浮かべながら「ちょっとしたユーモアだよ。彼はピッチ上でフレンドリーだからね。彼のパフォーマンスに対するダンケだよ。他の選手が2ゴールと3点目の起点になってくれたら、(同じように)スペシャル・ダンケを与えるだろうし、そういう思いから出た」と、武藤に“特別な感謝”を伝えるジェスチャーが、自然と出たことを明かした。
武藤だけでなく、チーム全体の出来を褒めたシュミット監督、「武藤のパフォーマンスもはまっていた。彼がチームを助け、チームも彼を助ける。いい関係だね」と、武藤の成長を助けながら前進するチームに手応えをつかんだ様子。
左サイドバックのスウェーデン代表DFピエール・ベントションは「最初の1点が大きかった」と、武藤の先制ゴールが効いたと言い、「ヨッシ(武藤)のパフォーマンスはすごく良かったし、チームにとっても大事。きょうは彼が違いを見せつけたね」と、手放しで称えた。
一方、敗軍の将となったミヒャエル・フロンツェック監督は、「最初の15分間は上手くいっていたが、先制点を奪われてバラバラになってしまった。そこからハーフタイムまで立て直せなかった」と、武藤の一撃で機能不全となったチームに渋い顔しきりだった。
マインツは次節、敵地でDF内田篤人が所属するシャルケと対戦する。