スタンド上部にやや空席が目立つフォルクスワーゲン・アレーナ [写真]=Bongarts/Getty Images
6シーズンぶりにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に帰ってきたヴォルフスブルク。9月15日に行われたグループリーグ第1戦のCSKAモスクワ戦は、DF内田篤人のシャルケから今夏新たに加わったドイツ代表MFユリアン・ドラクスラーのゴールにより1-0で勝利を収めている。
しかし、この試合に訪れた観客はたったの2万216人で、しかもそのうち1200人はクラブから招待された難民たち。スタンドには空席が目立ち、随分と寂しい光景がそこにあった。
ブンデスリーガでは最大で3万人が収容できるこのフォルクスワーゲン・アレーナであるが、UEFAの大会では立ち見が禁止されており、全て座席となる。そのため、どのスタジアムでもCLやヨーロッパリーグとなると観客数が減少し、同スタジアムの場合は上述の3万から2万6500まで減ってしまう。しかし、それでも満員の状態と比べると6000人以上も少なかったのだ。
これについてヴォルフスブルクのクラウス・アロフス強化部長は『ビルト』に対し、「試合前にテーマソングが流れても、耳に入ってこなかったよ。なぜあんなにも空席があるのかばかり気になっていたからね。がっかりしているよ。このチームは、あのような(空席が目立つ)環境でプレーするようなチームではない」と落胆していたようだ。
では、なぜ空席が目立ったのか。同紙によると、理由はこういうことらしい。
1. 地理的要因
ヴォルフスブルクはメインスポンサーである自動車大手フォルクスワーゲン社の資金力をバックに、近年になって急成長を遂げたクラブ。1992年にブンデスリーガ2部へ昇格し、1997年から同1部に在籍しているが、それよりも前に遡ると、1974-75シーズンと1976-77シーズンに同2部でプレーしただけで、かつては1アマチュアクラブにすぎなかった。そして同都市周辺にはブラウンシュヴァイク(ヴォルフスブルクから25キロ)、マグデブルク(同65キロ)、ハノーファー(同70キロ)など、古くから有名なクラブを持つ都市があり、すでに地域の住人はいずれかを応援。したがって、新規のファンを獲得しにくいという背景がある。
2. 3交代勤務
ヴォルフスブルクに住んでいる人口約12万5000人のうち、5万人がフォルクスワーゲン社に勤務。多くの労働者は3交代制で働いており、試合が開催されている時間にも多くの人が工場で汗を流している。初めてCLに出場した2009-10シーズン、同社は試合開催時刻に仕事を一時的に止め、従業員がスタジアムへ観戦に行けるよう特別措置を取ったが、2回目の出場である今季は、この特例は導入されていない。
3. 対戦相手
CSKAモスクワは2009-10シーズンのCLでも同じ組に入っており、すでに対戦した経験がある。また、CSKAモスクワは欧州のトップクラブに数えられるほどではないため、そこまで魅力的な試合ではなかった。ただし、12月8日に行われるマンチェスター・U戦はチケット完売になる見込み。
大枚をはたいてビッグプレーヤーを獲得するヴォルフスブルクだが、ピッチ外の事柄――例えばマーケティング活動など――にも、もう少し力を入れていったほうがいいのかもしれない。
文=鈴木智貴
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By 鈴木智貴