ロッベンのシュミレーションに抗議するフランクフルトMF長谷部誠(左から2人目)[写真]=Bongarts/Getty Images
日本代表MF長谷部誠が所属するフランクフルトは、ブンデスリーガ第11節でバイエルンと対戦し、スコアレスドローで終わった。フル出場した長谷部が試合後にコメントを残した。
フランクフルトは、ブンデス史上初の開幕10連勝を達成したバイエルンをホームに迎えて、スコアレスドローで終了。王者バイエルンの連勝をストップさせた。
右サイドバックでフル出場し完封に貢献した長谷部は、「全員が集中して守れたかなという感じはあります。ゼロで抑えられたのは良かったです」と無失点を喜ぶものの、「ただ、もう少し“プレー”したい。ボール取ってから失う時間がすごく早く、そういうところはバイエルンと差があるんで、もう少し良い形でプレーできればなと思いました」と攻撃面に納得いかなかった様子。
引いて守り切った守備的な戦い方については、「監督が選手に『バイエルン相手にはどういうやり方がいいと思う?』と聞いて、結構みんながディフェンス、引いてプレーしたほうがいいんじゃないかということになりました」と、全員で話し合って決めたと明言。そして、「こうしてバイエルン相手に勝ち点が取れたというのは、またこういう戦い方もあるというのを自分たちも確認できたと思う」と収穫を語った。
完封の要因として、「正直バイエルンのクオリティもそんなに高くなかったんじゃないですかね、今日は。もちろん連戦の疲れとかいろいろあると思いますけど、今日に限って言えばそんなにバイエルンの強みって言うのは出ていなかったかな」と振り返ると、「アウクスブルクだったりホッフェンハイムだったりは最後の数分で点が入ったり、けっこう際どい試合をしていた」として、「自分たちも守り切れるかなという感覚はありました」と自信を明かした。
また、自身のパフォーマンスを振り返り、「そんなに危ない場面はなかったですけど、自分のサイドの(ドゥグラス)コスタがかなり速く、なかなかスピードに乗られると止められないんで、何回かやられました。だけどああいう選手と対戦するのは楽しいです」と感想を語ると、ペナルティエリア内でバイエルンのオランダ代表FWアリエン・ロッベンと接触した場面は、「あれは完全にシュミレーションだったんで」と冷静に語った。
ロシア・ワールドカップのアジア2次予選では、フランクフルトがバイエルンに対してやったように、対戦相手に引いて守られることが多い日本代表。長谷部は、6月にスコアレスドローで終わったシンガポール戦を思い出し、「今日の試合はシンガポールのような戦い方かなと。そういう意味で言えばシンガポールはチーム全体がしっかり連動してパスコースを消したりとかそういう細かいことをやっていたので、チーム(フランクフルト)の中でもしっかり話しながらやっていました」と語り、代表での経験を活かすことができたと明かした。
さらに、立場逆転を経験して、「やっぱり足元、足元になるとどうしても狙いやすくなるし、裏を狙う。(トーマス)ミュラーとか(ロベルト)レヴァンドフスキが裏を狙いだしてから怖いかなというのはありました。あとはサイドじゃないですかね」と、引いて守る相手の攻略方法を改めて実感している。
フランクフルトは、11月7日に行われるリーグ第12節でホッフェンハイムと対戦。その後は代表ウィークに入り、日本代表は12日にシンガポール戦、17日にカンボジア戦に臨む。
By サッカーキング編集部
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