バイエルンを率いるグアルディオラ監督 [写真]=Bongarts/Getty Images
2013-14シーズン夏にバイエルンの指揮官に就任し、今シーズン限りでチームを去ることが決まったジョゼップ・グアルディオラ監督が、再び医療スタッフと揉めている模様だ。
ドイツ誌『キッカー』が報じたところによると、今月上旬、元フランス代表MFフランク・リベリーが9カ月ぶりに戦列へ復帰したが、同選手は最近になり違う箇所を痛め、再び戦線離脱となってしまった。するとグアルディオラ監督は、同クラブのメディカルチームでトップを務めているフォルカー・ブラウン医師にその責任があると判断。しかし同医師は「リベリーの状態は仕上がっていなかった。復帰は明らかに早すぎたんだ。つまり彼を起用したあなたの過失だ」と反論。それにより同監督は、話し合いを行っていたクラブハウスの監督室からブラウン医師を追い出したという。
リベリーは今月2日にチーム練習へ部分合流し、それから3日後には強豪ボルシアMGとのブンデスリーガ第15節に途中出場していた。また9日のチャンピオンズリーグ・グループステージ第6戦ディナモ・ザグレブ戦にはスターティングイレブンとして起用されたが、『キッカー』によるとブラウン医師ら医療スタッフは「まだ早すぎる」と、グアルディオラ監督にかなり口酸っぱく忠告していたようだ。
仮にそれが事実だとすれば、医療チームの不安は的中したことになる。短すぎる練習期間、ボルシアMG戦での途中出場、そして極寒の中で行われたザグレブ戦と、無理がたたったリベリーは太ももの肉離れを負ってしまい、約8週間の離脱と診断されている。
グアルディオラ監督は今年4月にも、1977年からバイエルンで、そして1995年からドイツ代表でもチームドクターを務めていた、ドイツ・スポーツ医療界の重鎮ハンス・ヴィルヘルム・ミュラー・ヴォールファールト医師と仲違いをしている。「4月15日に行われたチャンピオンズリーグ準々決勝のポルト対バイエルン戦後、監督から敗戦の責任を全て押しつけられた。我々には全くもって不可解な理由だった」と話したミュラー・ヴォールファールト医師がその試合の翌日に辞任を表明するなど、グアルディオラ監督とメディカルスタッフによる衝突劇は今回が初めてではない。
現在バイエルンはリベリー以外にも、主将の元ドイツ代表DFフィリップ・ラーム、モロッコ代表DFメディ・ベナティア、ブラジル代表MFドゥグラス・コスタ、オランダ代表MFアリエン・ロッベン、スペイン代表MFフアン・ベルナト、オーストリア代表DFダヴィド・アラバ、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェなど主力選手にケガが相次ぎ、19日のブンデスリーガ第17節ハノーファー戦でもチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルが試合途中で交代するなど、多くの負傷者を抱えている。
突如として巻き起こった王者バイエルンの不協和音。その軋みがリーグ4連覇を狙うチームに悪影響を与えなければ良いのだが…。
文=鈴木智貴
By 鈴木智貴