オーバメヤンのチーム2点目を喜ぶドルトムントの選手たち [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
DFBポカール(ドイツ・カップ)準々決勝が9日に行われ、シュトゥットガルトと日本代表MF香川真司のドルトムントが対戦。公式戦2試合ぶりに招集メンバー入りした香川はベンチスタートだった。
6日に行われたブンデスリーガ第20節で、日本代表MF原口元気のヘルタ・ベルリンと0-0で引き分けたドルトムント。リーグ戦3試合負けなし、中2日で迎える準々決勝で、トーマス・トゥヘル監督は先発メンバーを2名変更した。ドイツ代表DFマティアス・ギンターと同DFエリック・ドゥルムがスタメン入りを果たしている。
対するシュトゥットガルトはリーグ戦4連勝中で、公式戦では最近7試合負けなしと好調を維持。3日前のブンデスリーガ第20節では、日本代表MF長谷部誠のフランクフルトを4-2で破っている。中2日で迎える一戦では、先発メンバーを3名変更。オーストラリア代表GKミチェル・ランゲラクとボスニア・ヘルツェゴビナ代表DFトニ・シュイッチ、ウクライナ代表FWアルテム・クラヴェツが起用された。古巣との初対戦となるドイツ代表MFケヴィン・グロスクロイツも先発メンバーに名を連ねている。
激しい雨が降る中で始まった一戦。スコアは開始早々に動いた。5分、ドルトムントが左サイドから攻撃を仕掛け、中央へのカットインから右サイドへ展開。ペナルティーエリア右側でパスを受けたピエール・エメリク・オーバメヤンがゴール前へダイレクトで折り返すと、ファーサイドに詰めていたマルコ・ロイスが右足シュートでニアサイドの上を抜き、ゴールネットを揺らした。最初の決定機を確実に生かしたドルトムントが先制に成功した。
リードを奪ったドルトムントは、以降もボールポゼッション率を高めて試合を優位に進めていく。しかし21分、シュトゥットガルトがワンチャンスを生かして同点に追いついた。左CKの流れから、左サイドからのクロスがゴール前へ飛ぶと、シュートのこぼれ球がペナルティーエリア手前へと転がる。反応したルーカス・ルップがダイレクトで右足シュートを放つと、ブロックを試みた相手DFに当たったボールがゴールへ吸い込まれた。
雨脚が強まる中、25分にはドルトムントのサポーター席から大量のテニスボールがフィールドに投げ入れられるアクシデントも発生。近くの位置にいた選手たちがピッチの外へとボールを処理したが、スタジアムは騒然となった。
そして31分、次のゴールはドルトムントのものだった。ショートカウンターからロイスがドリブルで持ち出し、ペナルティーエリア左手前のオーバメヤンへパス。オーバメヤンはトラップから素早く縦へ持ち出し、左足を振り抜く。強烈なシュートがゴール左隅へ突き刺さった。ドルトムントが2-1と勝ち越しに成功。前半を1点リードで終えた。
後半最初のチャンスは56分、ペナルティーエリア右側でパスに反応したオーバメヤンが角度のないところから狙うと、強烈なシュートは枠を捉えたものの、相手GKに阻まれた。以降は拮抗した展開で、激しい競り合いとショートカウンターの応酬となる。ドルトムントはシュトゥットガルトにシュートを打たれる場面が増えたが、決定機を作られることなく時計の針を進めていく。67分にはペナルティーエリア内でパスをつなぎ、ロイスがシュートチャンスを迎えたが、相手DFにブロックされた。
両チームの選手たちがウェアを泥だらけにし、凹凸が目立つピッチコンディションで迎えたラスト15分は、互いに攻め合う激しい内容に。ドルトムントのトゥヘル監督は78分にロイスに代えてモリッツ・ライトナーを投入。さらに86分、イルカイ・ギュンドアンに代えて香川をピッチに送り出した。
公式戦2試合ぶりにピッチに立った香川は、出場直後にヘンリク・ムヒタリアンのチャンスを演出。そして89分、カウンターで敵陣左サイドを独走したオーバメヤンがドリブルで縦へ突破し、ペナルティーエリアに進入。相手GKを引き付けてラストパスを供給すると、ムヒタリアンが無人のゴールへ難なく押し込み、3点目を決めて勝利を決定付けた。
試合は3-1で終了。2大会連続で準優勝のドルトムントが敵地で快勝し、3シーズン連続のベスト4進出を決めた。
ドルトムントは次戦、13日のブンデスリーガ第21節で日本代表DF酒井宏樹と同MF山口蛍、同MF清武弘嗣が所属するハノーファーをホームに迎える。一方のシュトゥットガルトは同日、原口所属のヘルタ・ベルリンとホームで対戦する。
【得点者】
0-1 5分 マルコ・ロイス(ドルトムント)
1-1 21分 ルーカス・ルップ(シュトゥットガルト)
1-2 31分 ピエール・エメリク・オーバメヤン(ドルトムント)
1-3 89分 ヘンリク・ムヒタリアン(ドルトムント)
By サッカーキング編集部
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