ブンデスリーガを制したバイエルン [写真]=Getty Images for FC Bayern
ブンデスリーガを運営するDFL(ドイツフットボールリーグ)が、2017-18シーズンからのTV放映権料契約を新たに締結し、各クラブへの分配金が過去最高額を更新したことを9日に発表した。今回の新契約は、向こう4シーズンで総額46億4000万ユーロ(約5660億円)。2013-14シーズンから結ばれている現行のものに比べ、約1.85倍という超大型契約である。
同日、フランクフルトでのクラブ総会に出席したバイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲ社長は、これについて「かなり満足している。我々の願望が現実のものとなり、本当に素晴らしい結果になったと思っている。『インターナショナルな舞台での生き残り』という観点から言えば、今回の件は我々を大いに助けてくれるだろう。そしてこれは、ブンデスリーガのクオリティが高いことを証明している」とご満悦な様子で語っている。またヴォルフスブルクのマネージャーを務めるクラウス・アロフス氏も、「ブンデスリーガ、DFL首脳陣、特に(DFLの)クリスティアン・ザイファート社長には賛辞を送りたい」と収入が大幅に増加することを心から喜んでいた。
アロフス氏が言及したザイファート社長は、2005年7月1日に同職へ就任して以来、一貫してブンデスリーガの地位向上に努めてきた人物。上述の総会では「ドイツのトップリーグの将来を考えれば、今回の新契約が非常に大きな一歩となったことは確実だ。ベストな条件を持つブンデスリーガは、今や売り上げでも世界でトップ3に入るほどだ」と声高らかに宣言している。
なお、2017-18シーズン以降も大手メディア『Sky』がメインパートナーであることは変わらない。しかし、これまでは同社がブンデスリーガ全試合を中継していた一方、新たな放映権契約ではいくつかの変更がある。
1つ目は、Webサービス会社『Amazon』がインターネットラジオでの中継を始めること。そして2つ目は、ブンデスリーガ1部の金曜開催試合(シーズン開幕戦とリーグ後半戦開幕戦を除く)、日曜開催の5試合、新たに導入される月曜開催の5試合、そして1部2部入れ替え戦などの放映権を、スポーツ専門放送局『ユーロスポーツ』が獲得したことだ。特に後者は、これまで『Sky』が独占していた市場に殴り込みをかけたとして、大いに注目を集めている。
プレミアリーグの壁は、依然として高い。同リーグは来シーズンから年間23億ユーロ(約2800億円)と、ブンデスリーガの倍の放映権料を得ることが決まっている。しかしブンデスリーガクラブもここ数年は積極的に海外遠征を行い、国外市場の獲得に勤しんでいる。
サッカー面だけでなく収入の面でも欧州ナンバーワンの座に就くことを、彼らは本気で目指しているのだ。
文=鈴木智貴
By 鈴木智貴