リオ五輪に出場するU-21ドイツ代表 [写真]=Bongarts/Getty Images
「リオ(デジャネイロ・オリンピック)に興味がある」
レヴァークーゼンに所属するMFユリアン・ブラントをはじめ、今夏開催されるリオ五輪出場に思いを馳せるU-23ドイツ代表選手は少なくない。
先月上旬のドイツ紙『ビルト』によれば、DFB(ドイツサッカー連盟)は同大会に臨む候補を40人まで絞ったとされている。しかしGKティモ・ホルン、DFドミニク・ハインツ、MFレオナルド・ビッテンコートなど、多数の有力候補者を抱えるケルンのマネージャー、ヨルク・シュマトゥケ氏は「選出については、開かれたコミュニケーションが大事だ」とコメントしており、また先述のブラントなど多くの有望な若手が在籍するレヴァークーゼンのスポーツディレクター、ルディ・フェラー氏も「DFBとはコンタクトを取っている。しかし、詳細を明らかにしていかなければならない。1つのクラブが4人も選手を出し、他のクラブが0人というのは、あってはならないことだ」と話すなど、ブンデスリーガクラブの幹部たちにとっては、あくまで所属先での活動が優先であり、時期がかぶってしまう五輪に熱を上げている者は決して多くない。つまり、シュマトゥケ氏とフェラー氏の発言は、「あまり多くの選手を持っていくな」と、DFBに釘を刺していたわけである。
そして結局、ブンデスリーガ各クラブとDFBは「原則的に、1クラブから最大2選手まで招集が可能」という折衷案で落ち着いた。
しかしU-23ドイツ代表を率いるホルスト・ルベッシュ監督からすれば、メンバー選考においてこの案は当然、“足かせ”となる。さらに中心選手と目されていたシャルケ所属MFレロイ・サネ、ドルトムント所属MFユリアン・ヴァイグル、バイエルン所属MFヨシュア・キミッヒ、そしてレヴァークーゼン所属DFヨナタン・ターの4選手は、ユーロ2016に出場するドイツ代表に選出されたため、リオ五輪での招集が不可能。また、ボルシアMGに所属するMFマハムート・ダフートも、8月中旬にチャンピオンズリーグのプレーオフを控えているため、同クラブが召集を拒否する構えを見せており、こちらも断念せざるをえない。
さらに、U-21ドイツ代表主将だったMFケヴィン・フォラントも、ホッフェンハイムからレヴァークーゼンに移籍した直後とあって、オリンピック出場を取りやめる事態となってしまった。
リオ五輪ドイツ代表メンバー発表は、約1週間後の今月14日。果たしてどの若武者がブラジルへ旅立つことになるのだろうか。
文=鈴木智貴
By 鈴木智貴