アウクスブルクでプレーする宇佐美貴史 [写真]=Getty Images
アウクスブルクに所属するMF宇佐美貴史が初めてドイツ語でのインタビューに応じた。ドイツ誌『kicker』日本語版が11日に伝えている。
苦しい半年間を過ごすこととなった宇佐美。ディルク・シュスター前監督の下では、あまり役割を得ることができなかった同選手だが、マヌエル・バウム監督就任に伴い再びオプションとなり、今はキャンプ地マルベーリャにて良い形で後半戦を過ごし、ブンデスリーガでのブレイクを果たしたいと願っている。
インタビューに応じた宇佐美は、「僕のドイツ語はあまりよくないんですよ」と笑顔で謝罪。2011年にバイエルンに加入し、その後にホッフェンハイムで2013年までプレーしドイツ語の授業を受けていた攻撃的MFは、現在はテレビなどを利用して自ら勉強を行なっていることを明かした。そして理解面については大して問題はないようだが、「(北バイエルンの方言で話す)監督からはバイエルンの方言を覚えるように言われています」と宇佐美。
ただしバウム監督との問題は、この方言の理解以外にはないといえるかもしれない。監督交代により最もメリットを受けている選手として、おそらく宇佐美の名前が挙げられるだろう。シュスター前監督時代には、わずか4試合の途中出場にとどまった日本代表だが、バウム監督就任初戦では、いきなり先発メンバーに名を連ねたのだ。
「最初の半年間は難しかったです」。そう振り返った宇佐美は、「日々いいトレーニングはできましたし、準備はできていました。ただもっとプレーはしたかったですね」と振り返り、何が問題だったと思うかとの問いにはしばらく考え、「僕自身の問題です。監督どうこうではありません。最初のうちは日本から休みなく来たこともあって、体調面で問題を抱えていましたし、うまく合わせて行くのが難しかったですね」と応えている。
なおシュスター前監督は宇佐美の体調面、そして守備の動きに対する不足を指摘していたのだが、先日行われたAZとのテストマッチで先制ゴールを決めた宇佐美についてバウム監督は、「得点はもちろん重要なものではあるが、しかしタカは得点を決めるだけでなく、とても価値のあるアクションをとても多く見せていたよ。守備でのポジショニングもよかったし、しっかりと走って、ボールを奪っていた。オフェンスでもよく動けていたし、常にパスを受けられ、狭い状況でも常に答えを見いだしていたね」と賛辞をおくった。
そんなバウム監督について宇佐美は、「良い監督だと思いますね。僕とたくさん話してくれますし、それは僕にとっては重要なことです。ドルトムント戦で先発から外れたときも、監督はその前にホテルで理由について説明してくれていました」とコメント。新指揮官の下で、バイエルンでもホッフェンハイムでも果たせなかった、ブンデスリーガでのブレイクを期している。
「19歳でバイエルンに加入した時には、ドイツ、そしてブンデスリーガにとても戸惑ったところがありました。でも今回はどういうものかちゃんと理解できています。ブンデスは対人戦やスプリント、そして気迫といった部分に関してはJリーグより上ですし。ただ確かにバイエルンやホッフェンハイムではうまくいきませんでしたが、しかし選手、そして人間として一回り成長できたと思います。もっと多くプレーしたいとは願っていますが、ただブンデスは世界最高のリーグの1つなので、なかなか難しいですよね」
またドイツの生活については居心地の良さを感じているようで、すでにアウクスブルクでは2つの良い日本食レストランをみつけているとのこと。さらにシュニッツェルやクネーデルといったドイツで馴染みのある料理も好んでいるほか、スピード制限のない高速道路についても気に入っているようだ。ただし宇佐美はとしてはむしろピッチ上で、エンジンを全開にして全力で駆け抜けていきたい。
By kicker日本語版