2014年に現役を引退した元ドイツ代表ハンケ氏。ブンデスリーガでは通算284試合に出場している
今シーズンのブンデスリーガでは、内田篤人のシャルケ、レヴァークーゼン、メンヘングラートバッハ(ボルシアMG)、ウォルフスブルクなど、強豪が下位に沈んでいる。これらのうち3クラブに所属していた経験があり、2014年に現役を引退した元ドイツ代表FWマイク・ハンケ氏が、ブンデスリーガ公式HPで独占インタビューに応じ、リーグ後半戦の展望について語ってくれた。
――シャルケは今季、スポーツディレクターと監督が変わり、新たなスタートとなりました。彼らの前半戦の出来について、どのようにお考えですか?
ハンケ氏 新しいSDと監督が来れば、時間が必要だと思います。しかし彼らは良いチームですし、前半戦の終盤は高いパフォーマンスを見せ、順当に勝ち点も重ねていました。シャルケは後半戦に巻き返すでしょうね。欧州カップ戦出場権の獲得も可能だと思いますよ。
――シャルケはこの冬、ホルガー・バートシュトゥーバーやグイド・ブルグスタラーの補強も行いました。彼らの存在はシャルケにとって追い風となるでしょうか?
ハンケ氏 バートシュトゥーバーの存在は大きいでしょう。けがなくプレーし続けられることを願っています。もし彼がリズムを取り戻せば、チームを必ず助けられるはずです。
――ウォルフスブルクにとって2016年は悪い年となってしまいました。すでに昨季後半戦からその兆候は見られ、ディーター・ヘッキング監督と、スポーツ担当取締役クラウス・アロフス氏がチームを去りました。ことしのウォルフスブルクに何を期待しますか?
ハンケ氏 シャルケほどの成長は見られないと思います。しかし最終的には中位でシーズンを終えるのではないでしょうか。マリオ・ゴメスも再びゴールを決めてくれることでしょう。
「ヘッキング監督ならチームを立て直せる」
――次はボルシアMGですが、開幕当初は良かったものの、その後転落しています。彼らが抱えている問題とは何でしょうか?
ハンケ氏 アンドレ・シューベルト前監督は新たなシステムを導入しましたが、それがうまくいきませんでした。しかし、(新たに就任した)ヘッキング監督のことは私もよく知っていますが、彼はウォルフスブルクで素晴らしい仕事をしていました。彼ならきっとチームを立て直し、浮上させることができると思います。ボルシアMGが残留争いに巻き込まれることはありませんよ。
――やはりグラニト・チャカの移籍が大きかったのでしょうか?
ハンケ氏 もちろんチャカの替わりとなるような選手を見つけるのは、簡単なことではありません。しかし彼らの6番のポジションには、クリストフ・クラマー、トニー・ヤンチュケ、トビアス・シュトローブルなどもいます。ルシアン・ファブレ監督のシステムをシューベルト監督はうまく引き継ぎ、チームを発展させましたが、彼らの間には1つだけ異なる点があります。ファブレ監督はできるだけチームを低い位置に保ち、シューベルト監督は高い位置でのプレーを好むという点です。しかし私の見立てでは、チームは次第に疲弊していきました。ヘッキング監督への交代のタイミングとしては、今が最適だったと思います。
――今週末は最下位ダルムシュタットとの対戦です。勝ち点獲得は義務ですね。
ハンケ氏 普通に考えれば勝ち点3は義務です。ですが、アウェーでの対戦ですし、勝ち点1でも満足しなければならないかもしれません。ダルムシュタットの本拠地で冬場に試合をすることは、芝生の関係から非常に難しいものになります。どのような試合になるか、私も興味がありますよ。
――開幕前、レーバークーゼンは首位争いを演じると思われていましたが、なぜ頓挫してしまったのでしょうか?
ハンケ氏 負のスパイラルに一度はまってしまうと、そこから抜け出すのは大変難しいことです。しかしレーバークーゼンなら、後半戦に再び良い結果を残せるようになると思います。
――彼らのような強豪4クラブが下位に沈み、またドルトムントも希望通りにはいかず6位です。これは偶然なのでしょうか?
ハンケ氏 私の予想では、欧州選手権の存在が大きかったのではないでしょうか。この大会に出場した選手は、しっかりと休むことができず、そしてまずフィットネスを整えなければなりませんでした。ビッグトーナメントが開催されると、いつもこのような問題は発生します。