チチャリートはブンデスリーガ44試合で22ゴールを記録。メキシコ人選手のリーグ歴代最多得点者となった
2006年のトップデビューから丸10年、レヴァークーゼンのチチャリートはその卓越した得点能力で世界中のファンを魅了してきた。彼のキャリアは母国のメキシコからスタート。2006年に地元クラブのCDグアダラハラでデビューを飾り、デビューシーズンにメキシコ1部リーグの前半戦優勝を経験している。
メキシコ代表の一員として出場した2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)での活躍により欧州への移籍を実現。マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)でタイトル獲得に貢献したのち、2015年夏に現在所属するレヴァークーゼンに加入した。
現在28歳のチチャリートは自身の輝かしいキャリア、現代的なストライカーの在り方、ブンデスリーガの魅力について言及。さらにW杯優勝を夢見るメキシコ代表でのキャリアについても語った。
――プロとして10年が経過したことについて
チチャリート 夢として思い描いていたものよりもずっといいキャリアだね。僕の夢はメキシコの1部リーグでプレーし、デビュー戦でゴールを決め、クラブで重要な選手になり、代表に招集され、タイトルを獲得し、得点王に輝いて、2010年のW杯に出場する――というものだった。そう考えると、これまでのキャリアは本当に素晴らしいものだよ。
――南アフリカW杯での活躍について
チチャリート W杯ではフランスを相手にゴールを決めることができた。僕の祖父(トーマス・バルカサル)も同じように1954年のW杯(スイス大会)でフランスから得点していたよ。
――ヨーロッパへの移籍について
チチャリート マンチェスター・Uではプレミアリーグ優勝を2度経験し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝でプレーすることもできた。その後はレアル・マドリードでプレーし、アトレティコ・マドリードとのダービーマッチで決勝点を決めた。今はドイツでプレーしているけど、何の不満もないよ。
――ブンデスリーガでプレーすることについて
チチャリート ブンデスリーガはいつも魅力的だった。イングランドとスペインのいいところを合わせたようなリーグなんだ。イングランドほどフィジカル的ではないし、スペインほどテクニカルではないかもしれないけど、両リーグが混ざり合ったような感じだね。
――プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガでの戦術面の違いについて
チチャリート 僕がプレーしたチームは全く違っていたから、それぞれで適応しなければならなかった。マンチェスターでは4-4-2システムでクロスを挙げる両サイドの選手がカギだった。9番としての役割よりもフィニッシャーとしてのプレーを求められんたんだ。レアル・マドリードはまた全く違っていて、仕掛けるための時間と自由があった。レヴァークーゼンには全員で攻撃し、全員で守備をするという監督の哲学がある。自分がやりたいプレーよりも、チームとしてプレーしなければいけないんだ。
――今季の第6節を最後にゴールがないことについて
チチャリート 正直、気にしていない。10年間ゴールを取り続けてきたけど、僕は自分を世界最高の選手だと思ったことはないし、ここ数カ月ゴールが取れなかったからといって落ち込むことはないよ。僕が最も好きなのはサッカーをすること。この数試合は他のポジションでプレーしなければならなかったけど、それも成長のプロセスとして捉えている。フィニッシャー以外の仕事もできるような完成された選手になれるはずだ。
――ゴールについて
チチャリート ストライカーは酷いプレーをしていても、ハットトリックを達成したらみんなに祝ってもらえる。結局はゴールで評価されるんだ。僕は全力を出し切ってピッチを後にするのが好きなんだ。とにかくチームを助けたい。ゴールはすべてのハードワークに対するご褒美みたいなものさ。だからいいプレーをすればゴールは生まれる。逆に酷いプレーをしてゴールができない時は決して満足できない。
――メキシコ代表について
チチャリート フアン・カルロス・オソリオ監督は大胆なアプローチをする指揮官だ。攻撃が好きで、僕らにはいつも前進し続けることを求めている。彼の大胆さは、自分の選手たちに大きな自信を持っていていることの表れだろう。彼は僕らがピッチで心地良くプレーできるよう、時間をかけて準備をしてくれるんだ。
――メキシコ代表が2018年のW杯で優勝する可能性について
チチャリート 正直に言うと、子供の頃からメキシコ代表がW杯で優勝できると信じてきた。すべてがうまくいけば優勝できるはずだ。タレントはそろっていると思うし、これまで恵まれなかった運がもう少しあれば、可能性はあるだろうね。