2007年3月7日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦セカンドレグで、歴史に残るゴールが決まった。バイエルン(ドイツ)がレアル・マドリード(スペイン)をホームに迎えた一戦、キックオフからわずか10.12秒で、オランダ代表FWロイ・マカーイがゴールネットを揺らした。
CL史上“最速”のゴールとして、今もなお語り継がれている一撃。UEFA(欧州サッカー連盟)の公式HP『UEFA.com』は7日、同試合から10年が経つということで、マカーイ氏の証言を交えながら当時を振り返っている。
10年前のCL決勝トーナメント1回戦。バイエルンはレアル・マドリードとのファーストレグで先勝を許した。しかし、終了間際にオランダ代表MFマルク・ファン・ボメルが決めたゴールで1点差に詰め寄っていたことで、セカンドレグでの逆転突破に望みをつないでいた。
そして迎えたホームでのセカンドレグで、バイエルンは瞬く間にゴールを陥れた。マカーイ氏は「キックオフで始まった。ボールは(フェルナンド)ガゴへ渡り、そこからロベルト・カルロスへパスが出たんだ。ボールは彼の足から大きくはね返った。それを(ハサン)サリハミジッチが拾うと、あれよあれよという間にネットを揺らしていたんだ」と、当時を振り返っている。
「我々にとって、夢のようなスタートになった。しかもあれほどの大一番だったわけだからね。まさに夢のようだったよ」
バイエルンはマカーイ氏のゴールで、2試合合計スコアを3-3とした。アウェーゴール数では2-1と上回り、セカンドレグを優位に進めることができた。最終的に、セカンドレグは2-1で終了。2試合合計4-4、アウェーゴール2-1で、バイエルンが準々決勝進出を決めた。
バイエルンは同シーズン、準々決勝でミランに屈してタイトル獲得とはならなかった。しかし、マカーイ氏が決めた電光石火の一撃は今も大会の歴史に刻まれ、強い印象を残している。