8日のブンデス第28節でバイエルン(上)とドルトムント(下)が激突する [写真]=Getty Images
かつてドルトムントやバイエルンをチャンピオンズリーグ制覇に導いたオットマール・ヒッツフェルト氏が、6日付のドイツ誌『kicker』にコラムを寄せ、今シーズンここまでのブンデスリーガの動向を総括した。
2014年ブラジル・ワールドカップ終了後に、スイス代表監督退任をもって、指導者を引退したヒッツフェルト氏。だが、当時彼の下で選手だったフランクフルトのニコ・コヴァチ監督が定期的にアドバイスをもらうために電話するなど、未だに現役監督からの信頼も厚く、ブンデスリーガの“ご意見番”としても知られている。
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ヒッツフェルトが今季ブンデスリーガについて語った [写真]=Bongarts/Getty Images
そんなヒッツフェルト氏は、躍進を見せるライプツィヒやホッフェンハイムの仕事は素晴らしく、とても新鮮な印象を受けているものの、最終的にはドルトムントが2位まで上がってくるものと見ている。
「今シーズンのドルトムントは、キャプテンの(マッツ・)フンメルスが抜けた上に、若い選手を中心とするコンセプトは時間が必要だ。ドルトムントはようやく落ち着いてきた。トーマス・トゥヘルは新しいチーム編成のなか、うまくスタートを切って、システムを見つけ出した。彼の仕事への不信感など、本当に無駄なものだ」と、監督経験者として今シーズンのドルトムントの状況を考慮しながら、トゥヘル監督の仕事に太鼓判を押した。
ブンデスリーガを知り尽くす同氏は、8日に行われるバイエルンとドルトムントの直接対決が、心理的に今後のシーズンの行方を左右すると見ている。「リーグのみならず、今後間近に控えているカップ戦、およびチャンピオンズリーグにも影響を与えることだろう。ドルトムントに比べて、バイエルンは勝ち点に余裕があるが、ここで負けるようだと、シーズン終盤に向けて不必要な迷いが出てくるだろう」と締めくくった。
バイエルンは4日に行われた前節でホッフェンハイムに敗れ、公式戦21試合ぶりの黒星を喫しており、連敗は避けたいところ。5日付けの『kicker』誌によると、フンメルスは「前半はあまりに酷かった。とりわけ立ち上がりの10分はボールの失い方も悪かったし、ボールを奪いに行くのにも、あまりに受け身に回ってしまった。カウンターのシーンは、組み立てのためにチームがワイドに広がったところを奪われて再三チャンスを作られた」と敗因を振り返り、「おそらく、気を引き締めるための良いシグナルになった」と古巣ドルトムントとの大一番へ切り替えていた。
敵地ながら勝ち点が必要なドルトムントが激しいプレッシングからの速攻で勝利をもぎ取るのか、ここ一番で本領を発揮する王者バイエルンがねじ伏せるのか…。熱戦が期待される8日の対決に、ドイツ中の注目が集まることは必至だ。
By サッカーキング編集部
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