勝てばW杯の大一番に向け、大迫は「自然とモチベーションが出てくる」と意気込んでいる
「子供の頃から見ていた舞台」への切符は「自分の手で掴み取りたい」。FW大迫勇也(ケルン)が日本をワールドカップへと導くゴールを貪欲に狙っていく。
8月31日に行われる2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選のオーストラリア代表戦。勝てば6大会連続のW杯出場が決まる大一番の1カ月前、大迫は右足首じん帯を損傷するアクシデントに見舞われた。代表戦への出場も「最初はケルンのドクターに無理って言われた」という危機的状態だった。
そんな中、負傷により出遅れてしまった大迫とは対照的に、レスターに所属するFW岡崎慎司はプレミアリーグ開幕から2試合連続ゴールを記録し、最高のスタートを切っていた。この先輩の活躍は大迫にとって、「常にオカさんからはいい刺激を受けている」と奮起するきっかけにもなったようだ。
「最前線でいつも結果を出している選手なので、見習うべきところはいろいろある。代表のポジションは代表の監督が決めること。でも、いい刺激を受けたり、与えたりしていくことで、お互いがまた成長していける。そういう循環を試合に出たほうが作って行けたらいいと思う」
大迫はその後、ドイツの日本人トレーナーの協力により早期回復を果たすと、22日にチーム練習に合流。2日後に発表された代表メンバーにも名を連ねた。25日にはブンデスリーガ第2節のハンブルガーSV戦で先発出場。復帰直後ながら、フル出場で終盤には左サイドからのクロスで得点の起点にもなった。
戦う準備はできている。復帰したばかりだが、「コンディションは悪くない」。そして、「自然と気持ちは高まる。高まらないほうがおかしいと思う」と大一番に向けて気合も十分だ。さらに前回大会では、2試合出場でノーゴールだったという悔しさもある。「ブラジルで何もできなかった自分がいたので、その借りを返したい」とW杯への想いは人一倍強い。
「もちろんプレッシャーもある」という大迫だが、「FWなのでまずは点をとること。1番前の選手が戦うところを出せればいい」と強い覚悟で日本代表をW杯に導くゴールを決めてくれるはずだ。
By 湊昂大