6日の公開練習で汗を流す浅野拓磨
今冬に突如浮上したポルトガル移籍の噂。シュトゥットガルトに所属する日本代表FW浅野拓磨が、2月6日に行われた公開練習後にその真相を明かした。
1月18日、ポルトガル紙『A BOLA』は、ポルト移籍を噂されていたMF中島翔哉の後釜として、ポルティモネンセ(ポルトガル1部)が浅野の獲得に迫っていると報じた。浅野自身は同13日のブンデスリーガ第18節ヘルタ・ベルリン戦を恥骨炎のため欠場。後半戦は負傷により出遅れていた。
そして、同20日の第19節マインツ戦をベンチに座ったまま見届けたことで、4日後には地元紙『シュトゥットガルター・ナハリヒテン』が「浅野が出場機会を求めてディレクターのミヒャエル・レシュケ氏に移籍を志願した」と報道。さらに同27日の第20節シャルケ戦で再びメンバー外となったため、移籍の可能性も現実味を増していた。
しかし、ポルトガルの移籍市場最終日の2月2日を迎えても動きはなく、シュトゥットガルト残留が決まった。この移籍の噂について浅野自身は、「僕は何にも関わっていないですね」と一蹴。「勝手に話が出てきただけ。日本でも盛り上がっていたみたいで、いろんな人から連絡がきました」と笑い飛ばした。
ただ、出場機会がない状況は変わっていない。シュトゥットガルトは解任したハネス・ヴォルフ監督の後任として、新監督にタイフン・コルクト氏を招へい。またゼロからのポジション争いがスタートしたが、2月3日に行われた初陣の第21節ヴォルフスブルク戦で、浅野は再び招集外となった。
恥骨炎は「特に問題なくやれている」。コンディションも「自分自身は悪くないと思っている」という中でのメンバー外は、新監督のもとでチーム内序列が下ったことを物語っている。ドイツメディアも3月30日まで移籍市場が開いているJリーグへの復帰の可能性を伝えているが、浅野自身の決意は固い。「まずはポジションをとることが大事なので、それができなければ先もない」とシュトゥットガルトで戦い続ける覚悟を口にした。
「もう半年もないですけど、ワールドカップは視野に入れているので、自分のチームで試合に出ないといけないことは自分自身が1番分かっているし、危機感を感じながらやっています。試合に使ってもらったときに、そのチャンスをつかめるように、結果を残せる準備をするしかない」
今シーズンのブンデスリーガは残り13試合となった中で、これまで以上に苦しい立場に立たされているが、「自分を使ってくれたら絶対に結果を残すという気持ちでやっていますし、それが出来る自信はあります」。浅野らしいポジティブな姿勢で厳しいポジション争いに挑む。
取材・文=湊昂大
By 湊昂大