[写真]=Getty Images
2018-19シーズンに活躍した若手選手を全10回に分けて取り上げる「ブンデスリーガ版ヤングスター特集企画」。初回は「エジル二世」と称される19歳の至宝、カイ・ハフェルツを紹介する。
[プロフィール]
カイ・ハフェルツ(Kai HAVERTZ)
生年月日:1999年6月11日(19歳)
出身地:アーヘン(ドイツ)
所属:レヴァークーゼン
ポジション:攻撃的MF/ウイング
背番号:29
利き足:左足
A代表歴:3試合0得点(ドイツ代表)
数多くの逸材を輩出してきたレヴァークーゼンの最新傑作で、4-3-3のインサイドハーフが主戦場ながらリーグ3位タイの17ゴールと大ブレイクした。2016-17シーズンにクラブ史上最年少の17歳126日でデビューすると、昨シーズンに史上最速でブンデスリーガ50試合出場を達成。2018年夏にはフリッツ・ヴァルター・メダルの金賞(U-19ドイツ年間最優秀選手)を受賞し、今シーズンは10代にしてキャリア通算100試合出場を果たした。
188cmと長身ながら足下の技術レベルが高く、メスト・エジルを彷彿とさせるボールタッチや創造性が強み。ゴールを生む左足のラストパスやシュートに加え、狭いスペースでも違いを作り出す冷静さとプレービジョンも特筆に値する。そうした技術やセンスに溺れずにハードワークも疎かにしない(総走行距離はリーグ4位の388.5km)のは、警察官の父と教師の母から「常に謙虚であれ」と育てられた生い立ちが影響しているかもしれない。
バイエルンやアーセナルをはじめ、欧州中のビッグクラブが注視するこのレフティーの価値はいまや1億ユーロ(約123億円)以上とも言われている。レヴァークーゼンのピーター・ボス監督が「特別な選手」と賛辞を惜しまず、ドイツ国内で「いずれはバロンドール候補」という声も挙がっている大器は、はたしてどんなキャリアアップを果たすだろうか。
文=遠藤孝輔