シャルケのスポンサーを務めるガスプロム [写真]=picture alliance via Getty Images
ドイツ紙『ビルト』が、ウクライナへの圧力を強めるロシアに対し、抗議のメッセージを掲載した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、ウクライナ東部で親ロシア派が実効支配する地域の独立を承認。これにより、ロシアがウクライナ広域へと侵攻する懸念が高まっている。
ロシア・ウクライナ情勢はすでにサッカー界にも飛び火。ドイツ国内で物議を醸しているのが、名門シャルケとロシアのエネルギー企業『ガスプロム』の関係だ。ロシアの半国営企業である『ガスプロム』は、2007年からシャルケの胸スポンサーを務めており、昨年3月には契約を2025年まで延長していた。
『ガスプロム』との契約解消を求める声が少なからず存在するなか、『ビルト』紙がユニークな形でキャンペーンに加わった。「プーチンの広告に終止符を」と題した同紙は、記事に使用するシャルケの画像で胸スポンサー部分を隠し、代わりに「ウクライナに自由を」のメッセージを掲載すると発表した。また、『ビルト』の公式ショップからは、『ガスプロム』のロゴが入ったシャルケのグッズが一掃されている。
なお、シャルケは22日、「東欧の最新動向には大きな懸念を抱いており、クラブはこのような状況において、ドイツのスポーツクラブの中で特別な役割を担っていることを認識しています。ドイツ法人であるガスプロム・ゲルマニアは、15年前からドイツ連邦共和国の信頼できるパートナーです。クラブの責任者は、長年のメインスポンサーと常に対話をしています」との声明を発表していた。
一方、『ガスプロム』は2012年から欧州サッカー連盟(UEFA)の大口スポンサーも務めている。『ビルト』紙は「耐え難い、いや耐えられない!」と、UEFAにスポンサー契約を見直すよう圧力をかけている。
「プーチンの軍隊がウクライナに侵攻している間、私たちはテレビでガスプロムの広告をチャンピオンズリーグのアンセムに合わせて見なければならないのだ。シャルケとUEFAは、この事態を何とか乗り切ろうと、上辺だけの説明で済まそうとしている。プーチンの政治とは何の関係もない、というのがモットーだ」
「それは嘘だ! もちろん、独裁者がスポーツを美しい背景にして汚い行為をするのは、北京オリンピック以降に限ったことではない。プーチンが戦争を仕掛けている限り、サッカー界が動じずにお金を稼ぎ続けることはできない」
なお、今季のチャンピオンズリーグ決勝はロシアの『サンクトペテルブルク・スタジアム(通称ガスプロム・アレナ)』で開催が予定されているが、圧力の高まりを受け、UEFAが会場を変更する可能性が浮上している。
By サッカーキング編集部
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