バイエルン加入1年目ながら、得点を量産するケイン [写真]=Getty Images
バイエルンに所属しているイングランド代表FWハリー・ケインが、早くも同クラブにおける新加入選手のシーズン最多得点記録に並んだ。
現地時間3日、バイエルンはブンデスリーガ第20節でボルシアMGと対戦。公式戦直近10試合の対戦成績が3勝2分5敗と相性の良くないボルシアMGが相手だったものの、3-1と逆転勝利を飾った。ボルシアMG所属のU-22日本代表FW福田師王も途中出場した一戦は、スイス代表DFニコ・エルヴェディの得点でボルシアMGが先手を取ったものの、前半終了間際にU-20ドイツ代表MFアレクサンダル・パブロビッチが同点ゴールを叩き込む。1-1で迎えた70分には、ゴール前のこぼれ球を見逃さなかったケインが、ヘディングで逆転ゴールをマーク。試合終盤にはセットプレーからオランダ代表DFマタイス・デ・リフトが追加点を決め、3連勝を飾っていた。
この試合で逆転ゴールを挙げたケインは、これで今季ブンデスリーガでの得点数が「24」に到達した。昨年夏にトッテナムから加入したケインは、シーズン開幕直後から“エースストライカー”の座に君臨。今季のブンデスリーガ全20試合にスタメン出場して24ゴールを挙げており、1試合1ゴールを上回るペースで得点を量産している。
イギリスメディア『Sportbible』によると、ボルシアMG戦のゴールにより、ケインはバイエルン加入1年目の選手がブンデスリーガで記録した最多ゴール数に並んだという。バイエルンでは、2007年夏にフィオレンティーナから完全移籍加入した元イタリア代表FWルカ・トーニ氏が、初年度の2007-08シーズンにブンデスリーガで「24」ゴールを記録。同シーズンのブンデスリーガ得点王に輝くとともに、バイエルンを2シーズンぶりの優勝に導いていた。
トーニ氏以降、バイエルン加入1年目でブンデスリーガ24ゴール以上を挙げる選手は現れなかった。クラブ歴代2位の公式戦通算344得点を誇るポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現:バルセロナ)すら、ドルトムントからの加入1年目だった2014-15シーズンの得点数は「17」だった。トーニ氏のクラブ記録は17年間続いていたものの、プレミアリーグからやって来たストライカーがその記録に肩を並べることとなった。今季のブンデスリーガはまだ14試合残っていることから、トーニ氏が保持するクラブ記録が、ケインによって塗り替えられることはほぼ確実だろう。
加えて、ブンデスリーガ初年度を過ごす選手の最多得点記録更新も視野に入っている。データサイト『Opta』によると、これまでにブンデスリーガ1年目でケインやトーニ氏を上回る得点数を叩き出した選手は1名のみ。ブンデスリーガ創設1年目の1963-64シーズンに、当時ハンブルガーSVに所属していた元西ドイツ代表FWウーヴェ・ゼーラー氏が記録したゴール数「30」が、ブンデスリーガ1年目の選手の過去最多得点数だという。
それだけでなく、このままいけばケインはブンデスリーガにおける1シーズンの最多得点を更新することとなるかもしれない。現在の最多得点記録は、2020-21シーズンにレヴァンドフスキがバイエルンで記録した「41」ゴール。現在のケインのゴール数「24」と離れているものの、このペースで得点を量産し続ければ、決して到達不可能な数字ではないだろう。
現在、バイエルンはブンデスリーガで2位に甘んじており、首位を走るレヴァークーゼンを勝ち点差「2」で追っている。次節には直接対決が控えており、12連覇を目指すバイエルンにとっては勝利が必要不可欠な大一番だ。同試合でケインがゴールを決めた場合、ひとまずはトーニ氏のクラブ記録を塗り替えることとなる。
果たして、シーズンが終わった時、ケインのゴール数はどれほど伸びているだろうか。ブンデスリーガ1年目の選手の最多得点記録、そしてブンデスリーガにおける1シーズンの最多得点を更新できれば、バイエルンが12シーズン連続で“マイスターシャーレ”を掲げる可能性も高まるはずだ。
By サッカーキング編集部
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