レヴァークーゼンの“十八番”がまたも炸裂 [写真]=Getty Images
ブンデスリーガ第31節が27日に行われ、レヴァークーゼンとシュトゥットガルトが対戦した。
前々節のブレーメン戦を5-0で制し、クラブ創設120年目にして初のマイスターシャーレを掲げたレヴァークーゼン。前節のドルトムント戦では、0-1で迎えた後半アディショナルタイム、今季幾度となく見せてきた試合終了間際のゴールで同点に追いつき、ブンデスリーガ開幕から30戦、公式戦45試合無敗を継続した。ブンデスリーガは残り4試合。史上初の無敗優勝が達成できるか否かにも注目が集まる。
対するシュトゥットガルトはここまで20勝7分3敗の成績で勝ち点「63」を積み上げ、現在3位につけている。2009-10シーズン以来のチャンピオンズリーグ出場が現実味を帯びてきたなか、前節はブレーメンに1-2で敗北。今節は王者とのアウェイゲームだが、3位の座を死守すべく、2試合ぶりの白星を狙う。
レヴァークーゼンはヨナタン・ター、アレハンドロ・グリマルド、ロベルト・アンドリッヒといった主力がスターティングメンバーに並んだ一方で、翌週ミッドウィークに控えたヨーロッパリーグ(EL)も考慮してか、フロリアン・ヴィルツはベンチからのスタートに。一方、シュトゥットガルトは伊藤洋輝が3バックの左で先発に名を連ね、原口元気はベンチに入った。
試合は両チームともに落ち着いた入りを見せ、チャンスの数は限られたなかで時計の針が進む。レヴァークーゼンは攻守の“心臓”であったグラニト・ジャカが出場停止となった影響も相まってか、なかなか攻撃時にうまく時間をコントロールできず、わかりやすい攻撃に終始。一方のシュトゥットガルトも、アンジェロ・シュティーラーが出場停止のため、中盤でリズムを作る選手が不在となったが、セール・ギラシを中心にシュートまで持ち込む場面は見せる。
前半最初のビッグチャンスは29分、レヴァークーゼンはピッチ中央で前を向いたアンドリッヒがスルーパスを送ると、抜け出したグリマルドが自ら左足を振り抜く。GKアレクサンダー・ニューベルに弾かれたこぼれ球にパトリック・シックが詰めたが、ダイレクトで狙ったシュートは枠を捉えきれなかった。
前半はこのままスコアレスで終了したが、後半に入ると立ち上がりの47分に試合が動く。シュトゥットガルトは自陣でボールを繋ぎ、コンパクトな陣形を保って寄せてくるレヴァークーゼンに対してスイッチを入れるタイミングを探ると、ヴァルデマール・アントンがロングフィードで局面を打開。ボックス右へ飛び出してボールを受けたジェイミー・レヴェリングが右足で狙うと、シュートはGKルーカス・フラデツキーのセーブの末にポストに直撃したが、セカンドボールをクリス・ヒューリッヒがダイレクトで押し込む。後半立ち上がりの“奇襲”でシュトゥットガルトが先制した。
先手を取ったシュトゥットガルトは続く57分、敵陣でGKフラデツキーからの縦パスを引っ掛けると、ここからショートカウンターへ。うまくボールは繋がらなかったものの、ルーズボールに対してうまく体を入れてアンドリッヒと入れ替わったデニズ・ウンダヴが右足一閃。狙い澄ました一撃を沈め、シュトゥットガルトがリードを広げた。
ホームで負けるわけにいかないレヴァークーゼンもここから反撃へ。61分、最終ラインからボールを持ち出したピエロ・インカピエが左サイドを破り、マイナス方向へ繋ぐと、待っていたグリマルドは横へ流す。ボックス内でフリーで前を向いたアミン・アドリは相手の股下を射抜くシュートを流し込み、これでレヴァークーゼンが1点差に。反撃の狼煙を上げた。
勢いに乗るレヴァークーゼンは続く65分、右サイドから仕掛けたジェレミー・フリンポンは突破できなかったものの、阻まれた後のボールを自ら奪い返し、マイナスへのパスを受けたオディロン・コスヌが横へ繋ぐと、ボックス手前中央からアドリが左足でミドルシュート。枠を捉えたグラウンダーの一撃はGKニューベルに阻まれ、こぼれ球にヨナス・ホフマンが詰めたが、またもGKニューベルが立ちはだかった。
レヴァークーゼンは怒涛の攻撃を続けながら、シュトゥットガルトもチャンスの数を増やしていくが、これ以上の得点は生まれずに後半アディショナルタイムに突入。今季のレヴァークーゼンはビハインドやイーブンの状況から、試合終了間際の得点により様々なドラマを起こしてきたが、後半アディショナルタイムも規定の5分台に突入。だが、ここでレヴァークーゼンは敵陣左サイドでアドリが倒され、フリーキックを獲得する。
ラストプレーと思われるフリーキックでキッカーを託されたのは、途中出場していた“エース”のヴィルツ。右足でGKと最終ラインの間に鋭いボールを蹴り込むと、ターゲットのインカピエには合わなかったものの、セカンドボールにアンドリッヒが反応。左足でシュートをねじ込み、土壇場でレヴァークーゼンが試合を振り出しに戻した。
試合はこのままタイムアップを迎えた。レヴァークーゼンは18日に行われたEL・準々決勝セカンドレグのウェストハム戦から数えて、公式戦3試合連続で試合終了間際に同点ゴールを記録。ウェストハム戦では89分にフリンポンが、前節ドルトムント戦では後半ATにヨシプ・スタニシッチが、そしてこの試合では再び後半ATにアンドリッヒが得点を決め、無敗記録の継続に成功した。今季のレヴァークーゼンは通算8度、89分以降の得点により、負けを引き分けに、引き分けを勝ちに変えている。
一方で、シュトゥットガルトは試合終了を目前にして白星を取り損ねた。これでブンデスリーガ2試合未勝利に。今節は4位のライプツィヒが勝利したため、両者の勝ち点差は「1」に縮まった。なお、伊藤はフル出場。原口に出番はなかった。
この後、レヴァークーゼンは5月2日にEL・準決勝ファーストレグでローマの本拠地に乗り込み、5日は次節のブンデスリーガで長谷部誠所属のフランクフルトとのアウェイゲームに臨む。一方、シュトゥットガルトは4日、次節のブンデスリーガでバイエルンをホームに迎える。
【得点者】
0-1 47分 クリス・ヒューリッヒ(シュトゥットガルト)
0-2 57分 デニズ・ウンダヴ(シュトゥットガルト)
1-2 61分 アミン・アドリ(レヴァークーゼン)
2-2 90+6分 ロベルト・アンドリッヒ(レヴァークーゼン)
By サッカーキング編集部
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