ボローニャを指揮するドナドーニ監督 [写真]=Iguana Press/Getty Images
日本代表DF長友佑都が所属する首位インテルなど上位4強に、同代表FW本田圭佑が所属するミランを下したユヴェントスがじわじわと追い上げをかけ始めた。そんな中、ひそかに注目を浴びているのがボローニャだ。デリオ・ロッシ監督率いたチームは第10節を終えて2勝8敗で18位。危機感をつのらせたクラブは同監督を解任し、ロベルト・ドナドーニ新監督を迎えた。その後の3試合で2勝1分、順位を17位に上げて降格圏内を抜け出した。特に21日に行なわれた第13節のローマ戦では2-2のドローに持ち込むなど、実力が本物であることを証明した。
いったいドナドーニ監督になって何が変わったのか。まず、失点が極端に減った点だ。正GKはイタリア代表候補に挙がったこともあるアントニオ・ミランテだが、開幕から10試合で失点15と守備面の弱さが目立った。それがここ3試合ではわずか失点2。しかもローマ戦のこの2失点はPKによるもの。第11節のアタランタ戦と12節のヴェローナ戦では無失点だった。ドナドーニ監督がディフェンス面を見直し、特にローマ戦の前半はうまく試合をコントロールしていた。
では攻撃面を見てみよう。第10節までの総得点は6。その後の直近の3試合ではそれまでの10試合分以上の7得点を挙げている。“沈黙”していたFW2人がよみがえった。潜在能力のあるこの2人とは元イタリア代表で、チェゼーナ時代に長友のチームメイトだったエマヌエレ・ジャッケリーニと、ここ数年間低調なマッティア・デストロだ。この2人はドナドーニ監督が就任してからの3戦で2ゴールずつ決めている。アタランタ戦は3-0、ヴェローナ戦でも2-0、ローマ戦も引き分けて3試合で勝ち点7を稼いだ。これは第10節までの勝ち点6を上回っている。
ドナドーニ監督といえば2006年から2008年までのイタリア代表監督の印象が強い。しかも全く良い成績を残せなかった指導者として、だ。2006 FIFAワールドカップ ドイツでアッズーリを世界一に導いたマルチェロ・リッピ氏の後を継ぐ重圧は相当なものだったろう。「2年間は素晴らしく、また非常に複雑だった。間違いなく、前任者以上の成績を残せなかったからだ。ただし難しい戦いに挑むのは好ましくもある」とコメントしている。
経営破綻した前任のパルマを離れ、セリエA残留がミッションのボローニャでも厳しい挑戦が続く。「順位的に困難なポジションにあるチームを率いるのは罠もある。しかしこの仕事を引き受けたのは、フィジカル・コンディションが良く健康的な選手たちがいると理解したからだ。有望な若手も多い。エネルギー全部を残留に注ぐ。それが将来的なプログラムにもつながっていく」と、始まったばかりの長く険しい道のりを進む覚悟は十分にある。
文=赤星敬子