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【コラム】強豪が争奪戦で違約金は113億円!急成長を遂げるイタリアの至宝ベロッティ

2016.11.29

得点ランク3位の活躍を見せるべロッティ [写真]=Getty Images

 セリエA第14節では、ユヴェントスがDFレオナルド・ボヌッチとDFダニエウ・アウヴェスという2人の守備の要をケガで失い、ジェノアに1-3で敗れた。マッシミリアーノ・アッレグリ監督がどのように補強してシーズン中盤に臨んでいくかが見ものだ。そしてアタランタが6連勝を飾り、5位という成績に本拠地ベルガモの街は沸きに沸いているそうだ。

 そんなベルガモ郊外の街、カルチナーテ出身のトリノFWアンドレア・ベロッティが、今シーズン注目されている。アタランタとライバル視されるベルガモ近郊にあるアルビノレッフェのユース出身でトップチームに上がった後、2013年から15年まではパレルモでプレーしていた。その当時は2シーズンで62試合出場16得点の成績。2015年夏にトリノが800万ユーロ(約9億6000万円)で獲得し、今シーズンはすでに10ゴールを挙げていて得点ランキング3位だ。

 製本所に勤める父ロベルトさんと、アイロンがけの仕事をする母ラウラさんという一般的な家庭に育ったベロッティの才能は、彼が14歳の頃からキエーヴォのスカウトであるロベルト・ガレッティ氏にも認められていた。「すでに数クラブが目をつけていたし、イタリアでもトップレベルのFWになる才能を持ち合わせていると考えていた。2018年のワールドカップではイタリア代表としてプレーしているだろう」と話した。

 U-19、20、21と各世代別代表の一員として順調に成長してきたベロッティがアッズーリでデビューしたのは今年だった。10月10日のW杯欧州予選のマケドニア戦で代表初得点を決め、11月12日のリヒテンシュタイン戦では、2ゴールと大活躍した。それもそのはず。夏のユーロ2016で代表に選ばれる大きな希望は、当時のアントニオ・コンテ監督(現チェルシー)から招集されなかったためにはかなく散った。地元の人々の話では、ベロッティの落ち込みようは相当なものだったという。

 そんな挫折を乗り越えた今シーズン、トリノの中でも最多得点を挙げてチームを引っ張っていっている。クラブとの契約は2021年まで。ウルバーノ・カイロ会長も22歳のベロッティの急成長ぶりに大満足で、なんと国内外での違約があった場合の違約金を9400万ユーロ(約112億8000万円)に決めたという。それもそのはず、マンチェスター・U、アーセナル、またレスターのクラウディオ・ラニエリ監督らが、何とか獲得したいとチャンスをうかがっているというのだから。

 代理人のセルジョ・ランチーニ氏は、クラブ側との話し合いで現在の年俸80万ユーロ(約9600万円)を150万ユーロ(約1億8000万円)までアップするように早急に交渉するつもりだ。現在6位のトリノ。ベロッティがこのままコンスタントに得点し続ければ、ヨーロッパリーグ出場も夢ではない。

文=赤星敬子

クラシコ

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