好調を維持し、今シーズン前半戦のサプライズとなっているパルマ [写真]=Getty Images
パルマには、“奇跡”と呼ばれる二つの時がある。一つは、UEFAカップウィナーズカップやUEFAカップ、さらにはUEFAスーパーカップを制した90年代。地元大手食品メーカーのパルマラット社の後ろ盾を得て、一躍欧州強豪クラブに躍り出た時代だ。
そしてもう一つは、現在進行形の今。クラブは2015年6月22日に破産し、セミプロのセリエDからの再出発を余儀なくされたものの、3年連続の昇格でセリエAに返り咲いた。トップリーグへの3年連続昇格は初めての偉業だ。4シーズンぶりに復帰したセリエAでも第13節を終えて、望外の6位とヨーロッパリーグ出場権も狙える好位置につけており、パルマはまさに今、“奇跡”と呼べる時間を駆け抜けている。
快進撃の立役者
好調の要因は、今夏の移籍市場で実績のある2人の選手を獲得したことが何よりも大きい。百戦錬磨のベテランDFブルーノ・アルヴェスと高速ドリブルを武器とするスピードスター、ジェルヴィーニョを迎えた。
16-17シーズンにカリアリでプレーした前者は守備に安定をもたらし、主将としてリーダーシップを発揮している。15-16シーズンまでローマで3年間プレーした経験を持つ後者は、飛び道具のスピードを武器に攻撃陣を活性化。9試合の出場ながら、チーム最多の5得点を奪い、パルマ攻撃陣のトラッシナトーレ(牽引者)として圧倒的な存在感を示している。第5節のカリアリ戦でのゴールは圧巻だった。自陣ペナルティエリア付近からの約70メートルものドリブルシュートを決め、チームメイトをも驚かせた。ローマから移籍した中国の河北華夏幸福ではコンディション不良により、期待外れに終わった。それだけに、パルマでの活躍は良い意味で期待を裏切っている。31歳のジェルヴィーニョはイギリス紙『ガーディアン』のインタビューでこう語っている。「中国には金儲けしに行き、そのまま引退するかのように思われ、もう終わった選手のように言われていた。だが、それは大きな間違いだ」
パルマはリーグ開幕前の8月12日に行われたコッパ・イタリア3回戦で、セリエC所属の格下、ピサに0-1で敗れ、あえなく敗退した。セリエA開幕戦のウディネーゼ戦では2点のリードを守れず2-2と引き分け、続くSPAL戦に0-1と敗戦。さらに、第3節のユヴェントス戦では奮闘するものの、1-2と黒星を喫し、開幕から3試合を終えて1分2敗とセリエAの戦いは不安視された。しかし、第4節でインテルを1-0と撃破し、金星を獲得。ここから勢いに乗り、これまで6勝2分け5敗という成績で前半戦の台風の目となっている。
クラブは今夏、レンタルを含め18人もの選手を獲得。セリエA仕様に大刷新を行った。これほどの入れ替えは当然リスクを伴うものだが、チーム内でイタリア人選手がリーグ最多の出場数(第12節終了時)を記録していることが、意思の疎通を図る上でのアドバンテージとなっているのかもしれない。
指揮官が選んだ戦い方は…
昨シーズンと大幅に選手が入れ替わった中で結果を残せているのは当然、指揮官の功績によるものが大きい。
パルマを強固な組織に作り上げた43歳のロベルト・ダヴェルサ監督は現役時代、MFとして活躍した。ミランの下部組織出身ではあるが、トップチームでのプレーの機会は得られず、1995年にセリエC1のプラートでプロデビューを果たして以来、2013年にセリエBのヴィルトゥス・ランチャーノで引退するまで14ものクラブを渡り歩いた苦労人だ。
引退してすぐにV・ランチャーノのテクニカル・ディレクターに就任し、2014年の夏には指揮官に抜擢。その後、2016年12月には当時レーガ・プロ(3部リーグ)を戦っていたパルマの指揮官に就くと、2年連続昇格の離れ業をやってのけた。現役時代に多くのクラブでプレーし、数多くの指揮官の下で指導を受けてきたことが、指導者としての経験値を上げているのだろう。新加入選手が多いチームを短時間で束ね、驚きの成績を残している。
2-1で勝利した第13節のサッスオーロ戦でのポゼッションは26.2パーセントと、戦い方は時代に逆行する「堅守速攻」である。メディアからは“カテナッチョ”だと揶揄されているが、ダヴェルサはそんな批判に憤慨する。
「相手は74パーセントのポゼッションで何をしたと言うんだ? シュートとチャンスの数を見たのかね? このパルマがカテナッチョのスタイルだと聞くのはうんざりだ」
少ない時間の中で、選択肢は限られていた。チームの目標は、まずは残留。その目標に向かってダヴェルサが選んだ戦いは、シンプルかつ明確なものだった。ただ、堅守速攻だけが特色ではない。古典的なスタイルなのかもしれないが、戦う姿勢を前面に押し出したチームに仕上がっている。これからも多くの対戦相手が、“奇跡”の時を謳歌するパルマに苦戦を強いられることになりそうだ。
文=佐藤徳和/Norikazu Sato
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