[写真]=Getty Images
カルロ・アンチェロッティが監督に就任して2年目を迎えるナポリ。アンチェロッティは、ミラン時代に2度、レアル・マドリード時代に1度、チャンピオンズリーグ(CL)で優勝に導いてることもあって、2018-19シーズンの同大会で、好成績を収めることを期待された。しかし、パリ・サンジェルマン(PSG)、リヴァプールと同組のグループCを突破することができず、グループステージで敗退。第2節のリヴァプール戦では1-0の勝利を収め、PSGとはホーム&アウェイともに引き分けるなど”カップ戦の男”の異名を持つアンチェロッティがその能力の高さの片鱗を見せたが、初戦で格下のツルヴェナ・ズヴェズダとスコアレスドローに終わったことが尾を引き、混戦のグループを抜け出すことはできなかった。
リーグ・アンで圧倒的な強さを誇るスター軍団のPSG、そしてCLを制したリヴァプールと同組だった”不運”の昨シーズンとは一転して、今シーズンはクジ運に恵まれた感はある。奇しくも昨季と同様にリヴァプールと相対することになったものの、南野拓実と奥川雅也を擁するオーストリアのザルツブルク、ベルギーのヘンクとの対戦は楽なグループに入ったという印象は強い。双方共に国内リーグの王者とはいえ、ナポリにとっては勝利しなければならない相手である。アンチェロッティ監督も「昨季よりは、良い組み合わせだが、難しいグループだ。それでも自信はある」と気を引き締めはしたが、本音は胸をなでおろしているところだろう。
欧州王者と再び同組に
ナポリにとっても、リヴァプールにとっても、再び同じグループに入るなど、露程も思っていなかったことだろう。その理由は、両者は今夏にテストマッチを組んでいるからだ。再び同じグループに入ると分かっていれば、この一戦は避けていたはずだ。そして、このプレシーズンマッチでナポリは3-0と完勝。7月末に行われたテストマッチとはいえ、欧州覇者を相手に3得点無失点で終えたことは大きな自信となったはず。アンチェロッティも「この勝利を嬉しく思う。ちょっと予想していなかったね」と望外の勝利であったことを吐露。それでも「昨季よりも素晴らしいシーズンにしようと思っている。ただ、2018年の夏に0-5と敗れたことにそれほど落胆していなかったし、3-0と勝利した今回もそれほど浮かれてはいない」とやはり、あくまでもシーズン前のテストであることを強調している。
まず最初に対戦しなければならないのが、ディフェンディングチャンピオンのリヴァプールだ。ナポリは今夏の移籍市場でローマからギリシャ代表DFコスタス・マノラスを3600万ユーロ(約43億円)で獲得。ユヴェントスやアトレティコ・マドリードなど多くのクラブが触手を伸ばしたと噂される人気銘柄を手に入れることに成功し、セネガル代表DFカリドゥ・クリバリとのコンビで欧州屈指の守備陣が形成された。しかし、一足先にスタートを切ったセリエAでは、フィオレンティーナとの開幕節で勝利を挙げはしたが、4-3と薄氷の勝利。そして、今季のリーグ戦の行方を占う一戦、王者ユヴェントスとの一戦では0-3から一時は巻き返し、3-3の同点にまで追い上げたが、終盤にクリバリのオウンゴールによって3-4と敗れた。敵地での開幕2連戦とはいえ、2試合で7失点とあまりにも不甲斐ない結果となった。
豊かになった攻撃の新オプション
今季は、昨季の4-4-2から4-2-3-1にフォーメーションを変更したこともあり、まだ守備に若干の”ズレ”が生じていることも考えられる。ともかく、プレミアリーグで開幕から5試合で15得点をマークして単独首位に立つリヴァプール戦までに守備が立て直せるかが急務となる。サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーの強力FW陣を封じ込むのは、骨を折る作業となりそうだ。一方、ナポリも攻撃陣は好調。失点数と同じ7得点をマークしている。ドリース・メルテンス、ホセ・カジェホン、ロレンツォ・インシーニェの”3大テノール”がともにプレーするのは6シーズン目を迎えており、円熟の域に達している。
カピターノのインシーニェはユヴェントス戦で右足の太ももを痛めて、イタリア代表招集から離脱したが、出場は可能となるようだ。昨季に勝利したグループステージに続き今夏のテストマッチでも得点を挙げているだけに、アンチェロッティも安堵していることだろう。8月はじめに筋肉系の負傷を負って、開幕から2試合を欠場したアルカディウス・ミリクは出場が間に合わないが、今季新加入したイルビング・ロサノは切り札以上の存在となりそうだ。ユヴェントス戦ではセリエA初出場にもかかわらず、挨拶代わりとなるゴールをマークした。さらに、移籍市場が閉幕する最終日、9月2日にはフェルナンド・ジョレンテがフリートランスファーで加入。「アンチェロッティ監督に『ノー』となど言えなかった。このクラブには優勝するためのすべてが揃っている」とナポリ入りを欲していたことを明かした。
攻撃のオプションは、昨季とは比べものにならないほど豊かになった。ロサノの速さ、195センチのジョレンテの高さは、攻撃が行き詰まった際の打開策となるに違いない。これほど多くの攻撃のバリエーションを持つチームは欧州でもそう多くはない。ターンオーバーを積極的に採用し、グループステージであればリヴァプール戦に照準を合わせて準備を進めることはできるだろう。まずは、初戦のリヴァプール戦で勝利を目指すこととなるが、引き分け、最悪は、僅差での敗戦を喫しても、十分にグループ突破は可能とみる。懸念されるのは、ザルツブルク、あるいはヘンクを相手にした際のとりこぼしだ。これを回避することができれば、グループステージ突破は間違いないだろう。となれば、2016-17シーズン以来となるベスト16進出を十分に狙えるだけでなく、組み合わせに恵まれればクラブ史上初となる8強進出以上も見えてくる。今季のナポリは、夢見ることができるチームであることは間違いないようだ。
文=佐藤徳和
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