週末に行われた各国のリーグ戦でゴールを挙げた“スーパーサブ”たち [写真]=Getty Images
先週末の欧州主要リーグは“スーパーサブの節”と呼んでも過言ではないほど、控え選手が目覚ましい活躍を見せた。
最速ゴールを決めた選手もいれば、控え選手の記録を打ち立てた選手もいる。それでは、どんな選手が“スーパーサブ”として結果を残したのか、各リーグを見てみよう。
[写真]=Getty Images
■ブンデスリーガ
まず、最も“スーパーサブ”の活躍が目立ったのは前節のブンデスリーガである。先週末に行われたブンデスリーガ第29節は9試合で計25ゴールが飛び交ったが、そのうち5ゴールが控え選手によるゴールだった。
まず、驚きの記録が生まれたのは8日に行われたシュトゥットガルト対ドルトムントだ。逆転優勝を目指すドルトムントが、遠藤航と伊藤洋輝の日本人2名を擁するシュトゥットガルトを2-0で下したわけだが、その2点ともゴールを決めたのは交代で投入されたMFユリアン・ブラントだった。
ブラントは、開始早々に負傷したアメリカ代表MFジョヴァンニ・レイナに代わって前半6分に投入されると、その6分後の前半12分にFWアーリング・ハーランドのクロスに合わせて先制ゴール。71分にもネットを揺らしてチームを勝利に導いた。
実は、ブラントの1点目は交代選手によるブンデスリーガ史上最速ゴールの快挙だったという。これは交代出場から何分でゴールを決めたかではなく、試合の何分にゴールを決めたかというもの。なかなか前半の早い時間帯に交代出場する機会がないため、「前半12分」が交代出場選手による最も早い時間帯でのゴール記録となった。ちなみに、それまでの記録は2002年に元セネガル代表FWママドゥ・ディアバング(当時ビーレフェルト)が決めた「前半14分」だったという。
一方で、ヘルタとウニオンによるベルリン・ダービーでも記念すべきゴールが生まれた。今年1月に加入したウニオンのFWスヴェン・ミヒェルが途中出場から嬉しい移籍後初ゴールを決めて、因縁のダービーで4-1の勝利に貢献した。
だが“スーパーサブ”の異名が最も似合うのは、やはりこの選手。フライブルクのFWニルス・ペーターゼンである。33歳の元ドイツ代表ストライカーは、10日のフランクフルト戦で61分に投入されると8分後にFKを頭で合わせて決勝ゴール。チャンピオンズリーグ出場権を目指す5位のフライブルクに貴重な勝ち点3をもたらした。
ペーターゼンが途中出場からネットを揺らすのは通算33回目で、ブンデスリーガの途中出場ゴール記録を更新中なのだ! 今シーズンだけでも途中出場から4点を決めており、これはバイエルンのFWエリック・マキシム・チュポ・モティングと並びリーグ最多となっている。
■ラ・リーガ
スペインでは、26ゴールのうち実に8ゴールが交代出場選手によるゴールだった。中でもレバンテ対バルセロナの試合は5ゴールが飛び交う乱打戦になったが、そのうち3点が控え選手によるゴール。そしてシーソーゲームに終止符を打ったのは、今季バルセロナで“スーパーサブ”として起用されているオランダのFWルーク・デ・ヨングだ。
84分に投入されると後半アディショナルタイム2分に188センチメートルの長身を活かしてヘディングで決勝弾。今季リーグ戦で16試合に出ているが、うち10試合が途中出場。ここまで6ゴールを決めているが、そのうち3点が途中出場での得点。96分毎に1得点を決める決定力を見せつけている。
ちなみに、今季ラ・リーガで控え選手として最もゴールを決めているのは意外にもセビージャのFWエリク・ラメラだ。昨夏トッテナムから加入したアルゼンチン人は、ここまで4ゴールを決めているが全て途中交代によるもの。そのセビージャは8日のグラナダ戦でも、ラメラこそゴールを決めなかったが、FWラファ・ミルとMFアレハンドロ・ゴメス(パプ・ゴメス)が交代出場からそれぞれ後半の追加タイムにゴールを決めてチームを4-2の勝利に導いた。
■セリエA
先週末はイタリアでも“スーパーサブ”の偉大な記録が生まれた。10日に行われたサッスオーロ対アタランタの一戦で、コロンビア代表FWルイス・ムリエル(30歳)が途中出場から後半アディショナルタイム3分にゴールを決めたのだ。チームは1-2で敗れてしまったが、これでムリエルはセリエAで通算25点目の交代出場ゴール。勝ち点3制が導入された1994-95シーズン以降で、同リーグの控え選手最多ゴール記録に並んだのである。
今季は交代出場からわずか2点目のムリエルだが、昨シーズンは控え選手としてリーグ最多の6ゴール。2019-20シーズンに至っては、交代出場から欧州5大リーグで最多の「11ゴール」を稼いでいた。ちなみに、ムリエルが並んだ25ゴールの記録を持っていたのはユヴェントスなどで活躍した元イタリア代表FWアレッサンドロ・マトリだ。
■リーグ・アン
フランスでは、パリ・サンジェルマンからランスにローン中のフランスU-21代表FWアルノー・カリムエンド・ムインガ(20歳)が、10日のニース戦で後半からピッチに立って2ゴールの大活躍でチームを3-0の勝利に導いた。ちなみに今季リーグ・アンで途中出場から最もゴールを決めているのは、得点ランクで2位につけるモナコのFWウィサム・ベン・イェデル。今季18ゴール中6ゴールを途中出場から決めている。
■プレミアリーグ
最後にプレミアリーグだが、第32節は10試合で29ゴールが飛び交ったが、交代出場選手によるゴールは1点も生まれなかった。欧州5大リーグのうちプレミアリーグだけが交代枠「3枚」を維持しており(他は5枚)、控え選手のゴール数が少ないのはそのせいか…。
現に、今季のプレミアリーグでは全ゴールのうち途中出場選手のゴール数の割合は「9.86パーセント」。これはラ・リーガ(17.06パーセント)、ブンデスリーガ(15.54パーセント)、セリエA(13.42パーセント)、リーグ・アン(13.64パーセント)を大幅に下回っているのだ。
さてさて、今季の欧州5大リーグも佳境を迎えているが、最後の最後に物を言うのは“スーパーサブ”の活躍かもしれない!?
(記事/Footmedia)
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By Footmedia