実はチームメイトだった選手たち!? [写真]=Getty Images
あまり知られていないが実はチームメイトだったという選手たちがいる。
今オフに1億ポンド(180億円)の大金でウェストハムからアーセナルに加入したイングランド代表MFデクラン・ライス(24歳)は、新天地で元チームメイトと再会した。ライスはウェストハムでプロキャリアを踏み出す以前、チェルシーの下部組織に所属していた経験があり、その頃に今はアーセナルの背番号14を背負うFWエディー・エンケティア(24歳)とチームメイトだったのである。
二人は若くしてチェルシーから放出されたが、こうして再びチームメイトとなり、今度は共にプレミアリーグ制覇を目指すことになる。そんな「実はチームメイト選手たち」を英紙『Daily Mirror』が特集しているので紹介しよう。
[写真]=Getty Images
■オーバメヤンとロナウド
先日、チェルシーを退団してマルセイユに3年契約で加入したガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(34歳)は、FWロナウドとチームメイトだったことがあるという。ロナウドはロナウドでもポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドではなく、2002年ワールドカップで得点王に輝いた元ブラジル代表のロナウド氏(46歳)である。
フランス生まれのオーバメヤンは、バスティアの下部組織を経て2007年の17歳の時にミランに引き抜かれた。結局、ミランでは一度もトップチームでピッチに立つことはなく、ローン移籍を繰り返したあと退団するのだが、そのミランでロナウド氏とチームメイトだったという。
“怪物”と呼ばれたロナウド氏は、PSV、バルセロナ、インテルを経てレアル・マドリードでゴールを量産したのち、オーバメヤンと同じく2007年1月にミランに加入。オーバメヤンより13歳も年上のロナウドは30歳でミラン入りし、1年半ほどロッソネーリでプレーした。キャリア晩年を迎えたロナウド氏とまだまだ駆け出しのユース選手だったオーバメヤン。彼らが一緒にピッチに立つ機会はなかったようだが、それでもオーバメヤンは一緒に練習した時の印象を覚えているという。
「当時のミランは強かった。ロナウド、パオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・ネスタなどがいた」とオーバメヤンは過去のインタビューで振り返っている。「僕はまだ若かったので、ロナウドを見ながら可能な限り色々と吸収した。正直言うと、彼は既に太りかけていたけどね! それでも最高の選手だったのさ」
■ジェームズ・マディソンとジョー・コール
全く違う時代の選手に思えても、実はチームメイトだったという場合がある。イングランドを代表する想像力豊かなチャンスメーカーの二人も、実は一緒にプレーした経験があるというのだ。昨年のワールドカップメンバーにも選ばれた現役のイングランド代表MFジェームズ・マディソンは、今オフにレスターからトッテナムに加入した26歳。今後さらなる飛躍が期待される楽しみな現役プレーヤーだ。
一方、2000年代にイングランド代表で56試合に出場したジョー・コール氏は41歳の元選手。ウェストハムでキャリアをスタートさせ、チェルシーなどで活躍したあと、2018年に現役を退いている。そんな二人が、実は2015-16シーズンにチームメイトとして一緒にプレーしているのだ!
コール氏はキャリア晩年の2015-16シーズン、当時所属していたアストン・ヴィラからイングランド3部のコヴェントリーにローン契約で加入した。そこでコヴェントリーのユースチームからトップチームに昇格してきたマディソンと一緒にプレーしたのである。当時のマディソンは、プロ駆け出しながらエースナンバー10番を背負う19歳。一方、キャリア晩年を迎えていたコール氏は当時34歳。15歳も年の差が離れた二人だが、一緒にリーグ戦9試合に出場した。
のちにジョー・コール氏はこんなエピソードを明かしている。「コヴェントリーに加入するときに『10番の子を見て、どこを伸ばせるか教えてくれ』と監督に言われたのさ。私は2、3日ほど注目して彼を見たあと『何もかも完璧だ。あとは試合に使い続けるだけだよ』と監督に告げたんだ。そうしたら、最終的に私はマディソンにポジションを奪われることになったのさ!」
■デイヴィッド・ベッカムとデイヴィッド・モイーズ
元イングランド代表MFデイヴィッド・ベッカム氏(48歳)と現在ウェストハムを率いるデイヴィッド・モイーズ監督(60歳)も、活躍した時代が違いながら実はチームメイトだったという過去を持つ2人だ。
ご存知の通り、ベッカム氏はマンチェスター・Uでキャリアをスタートさせ、レアル・マドリードで活躍したあと、キャリア晩年にLAギャラクシーやミラン、パリ・サンジェルマンなどでプレーしたレジェンドである。現在はリオネル・メッシが所属するインテル・マイアミの共同オーナーを務めるベッカム氏だが、まだ10代の頃にプレストンで武者修行を積んだ時期がある。そして、その時に選手時代のモイーズとチームメイトになったのだ。
まだ19歳だったベッカム氏は、経験を積むためにマンチェスター・Uからプレストン(当時イングランド4部リーグ)にローン移籍し、1995年3月に1カ月ほど同チームでプレーした。その頃から卓越した右足のキック技術は健在で、リーグ戦5試合に出場して2ゴールの活躍。そのうち1点はコーナーキックからの直接ゴールだった!
一方、当時のモイーズは酸いも甘いも噛み分けた31歳のセンターバック。12歳も離れた二人は、わずか1カ月間だが一緒にプレーしたという。その後、ベッカム氏はローン期間を終えてマンチェスター・Uに戻ると、そこから伝説的な活躍を見せて世界で最も有名な選手へと駆け上がるのだった。対するモイーズはプレストンでプレーし続けたあと、1998年に同クラブの監督に就任。結果を残してエヴァートンに引き抜かれると、そこでも素晴らしい手腕を発揮して2013年にはサー・アレックス・ファーガソン元監督の後任としてベッカムの古巣であるマンチェスター・Uの監督にも抜擢された。現在はウェストハムを率いており、昨シーズンは同チームをヨーロッパ・カンファレンスリーグの頂点に導いている。
ちなみにベッカム氏は自叙伝の中で「ショックを受けた。ユナイテッドが僕を放出したいのかと思った」とプレストン時代について触れている。ベッカム氏はプレストンで2得点しており、1点目は前述の直接コーナーキック。そして2点目はベッカムらしい直接FKだったという。そのFKを決めたあと、ゴールを祝って飛び乗ってきて19歳のベッカムを押しつぶしかけた選手こそ、31歳のモイーズだったという!
(記事/Footmedia)
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By Footmedia