久々に先発した鎌田は中盤でチームの攻守を支えた [写真]=SS Lazio/Getty Images
セリエA第30節が30日に行われ、ラツィオとユヴェントスが対戦した。
前節終了時点で13勝4分12敗の勝ち点「43」で9位に沈んでいるラツィオ。前々節終了時にチャンピオンズリーグ(CL)も含めた公式戦で4連敗を喫すると、昨季はセリエAで2位へ導いたマウリツィオ・サッリ前監督の辞任が発表された。前節はアシスタントコーチを務めていたジョヴァンニ・マルトゥシエッロ氏が暫定監督を務め、フロジノーネに3-2と逆転勝利。その後、18日にイゴール・トゥドール新監督の就任が発表され、今節は同監督の初陣となる。
一方で、ユヴェントスは開幕から好調を維持し、一時は首位を走るインテルに近付いていたものの、2024年に入ると勝ち星を逃す試合が増えていく。気が付けばミランに2位の座を譲り、現在は17勝8分4敗の勝ち点「59」で3位につけている。現在は3試合未勝利が続いており、今節は4試合ぶりの白星を目指す一戦だ。
ラツィオのトゥドール新監督は、鎌田大地をスターティングメンバーに抜擢。鎌田にとっては今年1月7日に行われた第19節ウディネーゼ戦(○2-1)以来、公式戦15試合ぶりの先発となった。また、前体制で主力だったルイス・アルベルト、マテオ・ゲンドゥージ、チーロ・インモービレといった面々はベンチスタートに。3-4-2-1と見られる布陣で、鎌田は中盤の一角に入る。一方、ユヴェントスを率いるマッシミリアーノ・アッレグリ監督は、グレイソン・ブレーメル、フェデリコ・キエーザ、ドゥシャン・ヴラホヴィッチらを先発として送り出した。
試合は立ち上がりの9分にセットプレーからブレーメルがヘディングシュートを放ったものの、序盤からラツィオがボールを握り、試合の流れを引き寄せていく。鎌田もボールタッチ数を増やしながらチームにリズムを作っていくと、20分にはラツィオがビッグチャンスを構築。ボックス手前の位置で縦パスを受けたバレンティン・カステジャーノスが、フェリぺ・アンデルソンとのワンツーでうまくボックスへ侵入。右足を振り抜いたものの、シュートはサイドネットに嫌われた。
対するユヴェントスもキエーザを中心にゴール前へ迫るシーンを作る。前半の終盤に差し掛かった41分には、ボックス左のスペースへ走り込んでマッティア・デ・シリオからのパスを受けたアドリアン・ラビオがマイナスへ落とし、最後はキエーザが右足で狙う。ここはGKクリストス・マンダスの横っ飛びセーブに阻まれる。43分にも左からカットインしたキエーザが右足を振り抜いたが、GKマンダスの正面となった。
このままスコアレスで後半へ折り返しても試合の様相は変わらず、ラツィオはうまくボールを保持しながらゲームをコントロールし、相手の隙を探っていく。73分には途中出場のインモービレが敵陣でボールを奪い返し、右サイドへ展開。アダム・マルシッチのスルーパスをボックス右で引き出すと、マイナスへうまく折り返し、最後は走り込んでいたマルシッチが右足で合わせる。完璧に崩したかに思われたが、ユヴェントスもゴール前で決死のブロックを組み、シュートは枠を外れた。
両チーム最後までゴールを狙う姿勢は絶やさなかったものの、ゴールネットが揺れることはなく、試合はこのまま後半アディショナルタイムに突入。このままタイムアップかと思われたが、ラツィオが最後の最後にスコアを動かした。ボックス左角の位置でボールを持ったゲンドゥージが右足でクロスボールを送ると、中央へ飛び込んだマルシッチがヘディングシュートを叩き込む。土壇場でラツィオが先手を取った。
試合はこのままタイムアップ。ホームチームのラツィオが、劇的な形で新監督の初陣を白星で飾った。鎌田は79分に交代している。一方のユヴェントスはこれで公式戦4試合未勝利となっている。
この後、両者はコッパ・イタリア準決勝ファーストレグで再び相まみえる。4月2日、ユヴェントスの本拠地『アリアンツ・スタジアム』で対戦予定だ。その後、次節のセリエAが予定されており、ラツィオは6日に敵地でローマとのダービーに臨む。一方、ユヴェントスは7日にフィオレンティーナをホームに迎える予定だ。
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By サッカーキング編集部
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