リオ五輪初戦に臨んだアルゼンチン。強豪ポルトガルに敗れて黒星スタートとなった [写真]=Getty Images
8月7日まではリオデジャネイロ・オリンピックの選手村に滞在しているアルゼンチン代表。一時は開会式への参加も検討されたが、初戦で敗れたこと、2日後に控えたアルジェリア戦に向けて十分休息をとることなどを考慮して、最終的には不参加となった。
大会前、フリオ・オラルティコエチェア監督は「五輪はサッカー選手たちにとって一生に一度の貴重な体験。結果はもちろん重要だが、できるかぎり五輪の雰囲気を楽しんでもらいたい」と語っており、2戦目までは会場がリオであることから開会式にも参加する可能性があると言われていた。
だが初戦でポルトガル相手に無得点で敗れたため、次のアルジェリア戦でパフォーマンスを高めるためには休息と集中が重要と判断。華かなセレモニーはテレビで観ることとなった。
そして6日、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領が選手村を訪問し、オラルティコエチェア監督に「次の試合(アルジェリア戦)ではクリスティアン・パボンを先発で起用してほしい」と個人的な希望を伝えたことが話題となっている。
開会式のためにリオを訪れたマクリ大統領は、1995年から2007年までボカ・ジュニオルスの会長を務めた経歴を持つ同クラブの大ファン。選手村でアルゼンチンのアスリートたちを激励したあと、オラルティコエチェア監督に直々に会いたいと申し出たという。
昼食後のコーヒーを飲みながらリラックスしていたところへ突然大統領が来ることになり、やや慌てたオラルティコエチェア監督だったが、すでに面識があった二人はまるで親しい友人同士のようにがっちりと抱擁。マクリ大統領は同じテーブルに座り、しばらくサッカー談義に花を咲かせたあと、今ボカでブレイク中の若手パボンを「アルジェリア戦ではぜひ先発メンバーとして起用してくれないか」と申し出た。
大統領からのリクエストが出る前から、すでにアルゼンチン国内のメディアはアルジェリア戦での予想先発布陣にパボンを入れているが、内容と結果次第では監督の采配ではなく「マクリ大統領の手柄」となってしまうかも?
文=藤坂ガルシア千鶴
By 藤坂ガルシア千鶴