ロサリオ・セントラル時代のテベス氏 [写真]＝Getty Images
アルゼンチン1部のインデペンディエンテは22日、新監督として元アルゼンチン代表FWのカルロス・テベス氏を招へいしたことを発表した。
テベス氏は1984年2月5日生まれの現在39歳。アルゼンチンの名門ボカ・ジュニオルスでトップチームのキャリアをスタートさせると、ブラジルのコリンチャンスを経て、2006年夏に欧州に上陸した。ヨーロッパではウェストハム、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、ユヴェントスなどで活躍。マンチェスター・ユナイテッド時代の2007－08シーズンにはチャンピオンズリーグ制覇に貢献し、マンチェスター・シティ時代の2010－11シーズンにはプレミアリーグ得点王を受賞していた。ユヴェントスを離れた後は古巣のボカ・ジュニオルスに帰還。1年間上海申花でプレーした後に再びボカ・ジュニオルスへ戻り、昨年6月に現役引退を発表していた。
現役引退発表の直後にはロサリオ・セントラルの監督に就任。2022シーズンのリーガ・プロフェシオナル（アルゼンチン1部リーグ）第5節から指揮を執り、最終的には27試合を7勝11分9敗の成績でフィニッシュ。全28チーム中20位でリーグ戦を終え、シーズン終了後に退任していた。
インデペンティエンテは通算16回のリーガ・プロフェシオナル優勝、通算7回のコパ・リベルタドーレス制覇を誇る名門クラブ。だが、直近は財政難の影響もあって低迷が続いており、2023シーズンのリーガ・プロフェシオナルは全28チーム中23位でフィニッシュ。カレンダー後期に開催されるコパ・デ・ラ・リーガ・プロフェシオナル（※2グループに分けて開催されるリーグ方式のカップ戦）第1節コロン戦を0－1で落とすと、リカルド・シエリンスキ監督の解任が決まっていた。
今回の発表によると、テベス氏は21日にクラブと話し合いの場を設け、その場で契約に合意。22日には契約書にサインし、その日にはチームのトレーニングで指揮を執ったようだ。
また、テベス氏はインデペンディエンテのクラブ施設で記者会見にも臨んだ。アルゼンチンは特殊な降格システム（※「過去3シーズンの獲得勝ち点÷総試合数」の計算式で出た数字の下2クラブが降格となる）を採用しており、低迷が続くインデペンディエンテには降格の可能性も残されているが、テベス氏は新監督としての覚悟を明かしている。
「私はインデペンディエンテの“救世主”になるためにここにいるのではない。この責任を負い、重要な挑戦を果たすためにここにいる。残りの13試合は全試合が決勝戦だ。私は自分のキャリアを懸けてこの任務を引き受けた。ベストコンディションで、この状況を打開しようとする準備ができている選手たちしかピッチには立たせない。中途半端な気持ちではなく、全身全霊を懸けて戦って欲しいんだ。我々は皆、多くのものを背負っている」
「今日は長期的なプロジェクトを口にするつもりはない。我々勝たなければならないのだから。前に進むためには、ファン、監督、選手の団結が必要だ。そうすれば、インデペンディエンテというクラブ全体でこの状況を好転させることができると確信している。私は監督として、できるだけ物事をシンプルにし、全員が自分の仕事をするようにする。自分が何をしようとしているのかはよく分かっている」
「インデペンディエンテは眠れる巨人のようなものだ。つまり、目を覚さなければ何も始まらない。そのために私はここにいる。選手たちには、私のチームではインテンシティの高さが求められること、このユニフォームのために全力を尽くせる者だけがピッチに立つことを理解してもらいたい。まずは自分たちのこと、自分たちがやりたいプレーに集中する。対戦相手のことを考えるのはそれからだ」
テベス新監督の初陣は27日に控えたコパ・デ・ラ・リーガ・プロフェシオナル第2節のベレス・サルスフィエルド戦だ。ホームの大声援を背に、テベス新監督は低迷する強豪の“目を覚させる”ことができるだろうか。
By サッカーキング編集部
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