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U17日本代表が“アイマールの再来”や“若きメッシ”と激突…タレント揃いのU17アルゼンチン代表を紹介

2023.11.14

U-17日本代表と対戦するU-17アルゼンチン代表 [写真]=Getty Images

 インドネシアで開催されているU-17ワールドカップでU-17日本代表は好スタートを切った。初戦に勝利した彼らは14日、サッカー大国アルゼンチンと相まみえる。それでは、日本の前に立ちはだかるU-17アルゼンチン代表の戦力を見てみよう。
 
 U-17日本代表は、11日に行われたポーランド戦で苦しみながらも途中出場のFW高岡伶颯(日章学園高)の豪快な一発で1-0の勝利をもぎ取った。幸先良いスタートを切った日本だが、まったくもって安心できない。それほど彼らの入ったD組は“死のグループ”なのだ。ポーランド戦後に、日本を率いる森山佳郎監督は「FIFAランク1位のアルゼンチンを、何とか叩き潰して2勝目を挙げたい!」と力強く語ったが、その言葉通り次の相手はA代表が昨年のワールドカップを制してFIFAランク1位に君臨するアルゼンチンだ。そして第3戦ではアフリカ王者のU-17セネガル代表も待ち構えている。
 
 まずはアルゼンチンである。今大会のU-17アルゼンチン代表は、初戦でセネガルに1-2で敗れて後がなくなっており、死に物狂いで日本に襲い掛かってくるだろう。初戦では、15歳にして既にセネガルのA代表でもデビューを果たしているFWアマラ・ディウフという圧倒的なタレントに2ゴールを許して黒星スタートとなった。ゲームを支配する時間は長かったが、今大会最注目の15歳の前に屈したのである。とはいえ、もちろんアルゼンチンにだって輝かしい才能がいる。彼らには“アイマールの再来”や“若きメッシ”がいるのである。
 
 チームを率いるのは、往年のサッカーファンにとって懐かしい名前であるディエゴ・プラセンテ(46歳)だ。現役時代には長い髪を結んで左サイドを疾走したディフェンダーで、レヴァークーゼンでの活躍が有名だ。2001-02シーズンに、ブンデスリーガ、DFBポカール、UEFAチャンピオンズリーグの3つの大会で2位となり“ネバークーゼン”と呼ばれたチームの主力だった。引退後には指導者の道に進み、前回の2019年U-17ワールドカップではパブロ・アイマール当時監督のアシスタントとして大会に参加していた。

[写真]=Getty Images

クラウディオ・エチェベリ

 そんなプラセンテ監督が率いる今回のチームには絶対的なエースがいる。それが背番号10を背負い、腕章を巻くMFクラウディオ・エチェベリである。名門リーベルプレートの下部組織で育った彼は“アイマールの再来”と呼ばれ、同クラブの大先輩と比較される才能だ。今大会の予選を兼ねていた今年4月のU-17南米選手権では大会最多5ゴールに加えて3アシスト。チームの全15ゴールのうち半数以上に絡む圧倒的な活躍を見せた。
 
 171㎝のプレーメーカーは、細かい足技はもちろん、一瞬で抜き去るドリブル、そして正確無比の右足を有しており、何もないところからチャンスを生み出してしまう。リーベルでは今年6月にトップチームデビューを果たし、デビュー戦でいきなりアシストまで記録した。A代表のリオネル・スカローニ監督からも注目されるタレントで、今年3月には正式な招集ではないがA代表の練習にも参加し、アンヘル・ディ・マリアに「才能ある」と言わしめた。英紙『The Guardian』が10月に発表した「世界の若き才能60名」にも日本のFW名和田我空などと一緒に選出されている。

バレンティノ・アクーニ


 
 エチェベリが“アイマールの再来”なら、次のメッシは背番号17のMFバレンティノ・アクーニャだ。いや、むしろ“メッシそのもの”と言っても過言ではない! 左ウィングを務めることが多いアクーニャは“メッシ役”を任されたことがあるのだ。メッシの古巣ニューウェルズ・オールドボーイズに所属する彼は左利きのテクニシャンで、子供の頃に“メッシ役”として映画に出演しているのだ。
 
 2014年に制作された映画『MESSI』(メッシ 頂点への軌跡)で、メッシの生い立ちを再現するシーンがあった。メッシ役には、ちゃんとした子役が選ばれたが、サッカーシーンでは左利きのメッシのような動きができる子供が必要だった。そのため制作陣は300人以上もの子供をリサーチしたあと、アクーニャにたどり着いたという。大役を任されたアクーニャは、顔こそ映らなかったが、見事な身のこなしやボールさばきでメッシを再現したという!

■強力な前線

サンティアゴ・ロペス&アグスティン・ルベルト

FWサンティアゴ・ロペス(左)とFWアグスティン・ルベルト(右)


 
 右サイドのFWサンティアゴ・ロペスも注目選手だ。スピードを活かした縦への突破が魅力のアタッカーは、今年7月に所属するインデペンディエンテでリーグ戦デビューを果たし、その後も定期的にベンチ入りしている。
 
 前線には185㎝のFWアグスティン・ルベルトが君臨する。U-17南米予選で4ゴールを奪ったアタッカーは、空中戦にも強く、両足で強いシューを放てる危険なアタッカーだ。リーベルプレートの下部組織に入団した頃はDFだったが、抜群のフィジカルを買われて前線で起用されるようになった。そして今はポーランドのFWロベルト・レヴァンドフスキを目標に何でもできるストライカーを目指している。
 
 一方で、今大会には選ばれなかった逸材もいる。17歳のFWジャンルカ・プレスティアーニは、既にベレス・サルスフィエルドのトップチームでレギュラーとして試合に出ており、同世代では極めて稀な才能だ。しかしクラブチームでの活動があったため、プラセンテ監督は「事前合宿に呼べなかった。チームの和を考えて」招集を見送ったという。
 
 いずれにせよ、今回のアルゼンチンが目指すのは頂点だ。A代表は昨年のカタール大会を含めてワールドカップを3度制覇している。U-20ワールドカップに至っては歴代最多となる6度の優勝を誇る。しかし、U-17ワールドカップでは一度もタイトルを獲れていないどころか、決勝の舞台にも立てていない。だからこそ、キャプテンのMFエチェベリは「監督に言われた。アルゼンチンに足りないのはU-17ワールドカップのタイトルだけだってね。その夢を叶えたいんだ。もちろん、楽しむことも忘れない」と強い決意で今大会を戦っている。
 
 果たしてU-17日本代表は、タレント揃いのU-17アルゼンチン代表を封じて、2連勝スタートを切れるのか? 注目の一戦は今夜9時(日本時間)にキックオフだ。

(記事/Footmedia

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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