決勝に強く全てのトロフィーを掲げた男、レアル守護神カシージャス

カシージャス

主将としてビッグイヤーを掲げるカシージャス [写真]=Getty Images

 24日に行われたチャンピオンズリーグ決勝でレアル・マドリードが延長戦の末、アトレティコ・マドリードに4-1で勝利した。このゲームにレアル・マドリードのキャプテンとして先発出場し、ビッグイヤーを掲げたのがブラジル・ワールドカップに臨むスペイン代表にも選出されているGKイケル・カシージャスだ。

 アトレティコ・マドリードの先制点は彼の飛び出しの判断のミスから生まれたものだったが、スペイン代表の同僚でもあるセルヒオ・ラモスが土壇場でヘディングシュートを決めて、レアル・マドリードはなんとか延長に持ち込んでいた。延長戦が始まる前にカシージャスは自分のミスを帳消しすることを感謝するようにセルヒオ・ラモスを抱きしめていた。

 レアル・マドリードは悲願だった10度目の欧州制覇を達成した。12年前の優勝を知る唯一のメンバー、カシージャスは試合後にこう話した。

「10度目の欧州制覇はワールドカップよりも重要だった。もう何年も達成できていなかったから、10度目というのは完璧な、パーフェクトな数字だ」

「とても苦戦した。アトレティコ・マドリードは僕たちの悪いアクションから幸運な形でゴールを決めた。彼らはフィニッシュまで少ししか持っていけていなかった。僕らは何回かシュートまで持ち込めたけど、最後までゴールを決められず、アディショナルタイムまで苦しむことになった。チャンスの数は正当なものだったと思う。彼らはいいディフェンスをしていたし、時間の使い方を知っていた。だけど、最終的には僕らは同点ゴールを達成できたんだ」

 カシージャスはレアル・マドリードにとって10度目の欧州制覇はワールドカップよりも重要性が高いと感じていた。

 新たなタイトルを手にしたカシージャス。スペイン代表キャプテンとしてワールドカップ、ユーロのトロフィーを掲げ、レアル・マドリードのキャプテンとしてチャンピオンズリーグ、リーガ、コパ・デル・レイなどのトロフィーを掲げたことになる。代表においても、クラブにおいてもカシージャスは全てのメジャータイトルのトロフィーを掲げたキャプテンとなった。

 また、彼は決勝にも強い。

 レアル・マドリードでは決勝に進出した時にカシージャスがベンチにいると負けていた。2001-02シーズンのコパ・デル・レイ決勝ではスタメンにセサル・サンチェスが起用され、カシージャスはベンチだったが、デポルティボ1-2で敗れ、クラブ創立100周年を祝うことはできなかった。

 2003-04シーズンもサラゴサに延長戦の末2-3で敗れ、カシージャスはベンチだった。近年では2013年のコパ・デル・レイ決勝でディエゴ・ロペスがスタメンでプレーし、アトレティコ・マドリードに1-2で敗れている。一方カシージャスがスタメンでプレーしたバルセロナ相手のコパ・デル・レイ決勝は2011年、2014年と両方とも勝利している。

 2001-02シーズンのチャンピオンズリーグ決勝も先発だったセサル・サンチェスが負傷し、カシージャスは交代で出場。ビッグセーブを見せて、レアル・マドリードを9度目の欧州制覇に導いている。カシージャスはスタメンで出場した決勝では2000年の欧州スーパーカップでガラタサライに1-2で敗れ、同じシーズンに行われたインターコンチネンタルカップでもボカ・ジュニオールに1-2で敗れた。

 しかし、それ以降はスペイン代表としても2008、2012年のユーロ決勝に勝利し、2010年のワールドカップ決勝も勝ち取った。2013年のコンフェデレーションズカップは決勝で敗れたが、依然として決勝に強いゴールキーパーであることは数字が証明している。

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