17日(火)のナタウ市内 [写真]=Marco Polo/Secretaria de Comunicacao da prefeitura de Natal/Divulgacao
6月13日(金)から15日(日)にかけて大雨に見舞われたナタウ(ナタール)市では、海岸沿いのコステイラ通りやグアナバラ通りで道路にクレーターが開き倒壊する家屋が出るなどの被害が出ていた。
19日(木)の夜明け、マンイ・ルイーザ、プレッタ浜のふたつの地区でクレーターによる地滑りが起きて2台の車が部分的に地面に埋もれたと現地メディア(「G1」、6月19日づけ)が伝えた。
そのうち1台は、ワールドカップ観戦のために同市を訪れていたチリ人の旅行者が借りていたレンタカーだった。けが人はいなかったという。
リオグランヂドノルチ州消防署のオペレーション部門のジャイウトン・クーニャ中尉によると、救助は迅速に行われたという。
最初に地滑り被害があったのが、13日(金)、コステイラ通りにて。5台の自動車と1台のバイクが埋もれた。14日(金)に通りの車両は通行止めになっていたが、18日(水)に再開通していた。同日夜間に強い雨が降ったため、また地滑りがおきたという。
リオグランヂ・ド・ノルチ州農牧研究公社(EMPAM)の気象予報士によると、雨は14日~15日の間、ほぼ48時間降り続き、この2日間で285mmの雨量があったという。これは同市で6月ひと月に降る平均雨量に相当する量とのこと。14日(土)にはナタウ市役所は警報を発令していた。
雨は13日(金)から降って被害をもたらしていたが、雲は数日間、離れずに同地域にとどまっていた。気象予報士によると、もともと同地域では6月は雨期にあたるが、風が弱く、海水の温度が高く、湿気が高いという3つの条件が重なったことが雲をとどまらせたという。
州は緊急事態の警報を発して、被害地域の修復に取り組みはじめた。17日(火)の時点ではけが人などの被害は出ていないが、市の東部、グアナバラ通り、アタライア小路、マンイ・ルイーザ地区の50近い家族が北部にある学校に避難したという。
地滑りの予兆があったため、プレッタ浜のアパートの住人にも非難勧告が出された。市の他の地域でも地滑りや、浸水の被害が報告されていた。アジェンシア・ブラジルは17日に、130家族が避難したと伝えている。
大雨後の16日(月)に同市、アレーナ・ダス・ドゥナスで開催されたガーナ対アメリカ合衆国戦は無事に開催されている。19日(木)も日本対ギリシャ戦が開催されているが、雨の影響でスタジアムのピッチの一部で、芝がめくれている場所もある模様。
(記事/MEGA BRASIL、文/麻生雅人)